手帳提示の「すみません」をなくす 障害者手帳をDX「ミライロID」

障害者手帳をDX化したアプリケーション「ミライロID」が、2022年度グッドデザイン賞でグッドフォーカス賞「新ビジネスデザイン」を受賞した。民間活用第一号としてマイナポータルAPIと連携し、既に3,700の事業者で導入され急成長するサービスデザインについてミライロ担当者に話を聞いた。

(文・矢島進二 日本デザイン振興会 常務理事)

 

垣内 俊哉 ミライロ代表取締役社長(左)
井原 充貴 ミライロITソリューション部部長(右)

1952年に設定された障害者手帳を用いた割引制度は、社会参加を促す契機となった。例えばJRの場合、第1種の身体及び知的障害者の普通乗車券は基本半額になる(距離などによって細かく規定)。しかし、今となっては紙の手帳による確認作業は、障害者だけではなく、対応する事業者にとっても負担となっているのが現状だ。

そこで965万人の障害者を対象に、DXでより自由に生活できる社会を目指し開発されたスマートフォン用アプリが、ミライロが開発した「ミライロID」だ。単に紙の手帳の代替だけでなく、クーポンの利用やチケットの購入もできる。

アプリ化によって障害者手帳が持つ紛失劣化リスクや心理的負担が軽減

ミライロの創業者である垣内俊哉社長は、「日本の障害者手帳は、2,000万人いた戦後の傷痍軍人の保護という立て付けにより、区分などが細かく設計され、身分証として完成度が高いものです。そして福祉先進国と言われる北欧を含め、障害者手帳のデジタル化をした国はありません」と語り始めた。

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