カルチャーブランドAy 伝統の絹織物「銘仙」をアップサイクル

群馬県伊勢崎市の伝統の絹織物「伊勢崎銘仙」をアップサイクルし、現代の若者に愛される服として提案しているカルチャーブランド「Ay(アイ)」。「文化を織りなおす」をコンセプトに、世界に通用する地域ブランドを目指して活動する学生起業家の村上采氏に、事業への思いや展望を尋ねた。

村上 采(株式会社Ay 代表取締役社長)

コンゴとの出会いから
始まったアパレル事業

群馬県伊勢崎市が誇る伝統の絹織物「伊勢崎銘仙(めいせん)」。従来の着物と一線を画すモダンなデザインと鮮やか発色で、明治から昭和初期に庶民の日常着として一世を風靡した。昭和初期の最盛期には年間456万反を生産し、「10人に1人は持っている」と言われるまでに成長したが、市場の縮小や後継者不足などを背景に、現在は衰退産業となってしまった。

そんな伊勢崎銘仙に新たな価値を添えて現代に蘇らせているのが、現役大学生の村上采氏が代表を務めるカルチャーブランド「Ay(アイ)」だ。2019年に創業し、「文化を織りなおす」をコンセプトに世界に通用する地域ブランドを目指している。現在はヴィンテージの伊勢崎銘仙をアップサイクルした衣服などを製造・販売しているが、創業当初はアフリカ・コンゴ民主共和国で生産された服や小物を扱っていた。

アフリカ・コンゴでの活動の様子

「大学では、コンゴの教育支援を行う研究会に所属し、小学校の建設や運営などに携わりました。コンゴには2回渡航し、日本でもコンゴの女性たちが作った服を学祭で販売するなどの支援活動を続けていたのですが、『単発ではなく、持続性のあるビジネスをしたい』という思いが強くなり、現地の布を使って日本人向けの服を製造・販売するアパレル事業を立ち上げました」と村上氏は語る。

オンラインショップの他、百貨店などのポップアップストアでも販売して注目を集めていたが、2020年に入ると状況は一変。新型コロナウイルスの影響により、コンゴへの渡航を断念せざるを得なくなった。大学もオンライン授業に切り替わったため、いったん地元に戻って国内に目を向けた時に、ふと村上氏の頭に浮かんだのが伊勢崎銘仙だった。出身地の文化を知ってもらおうと、コンゴの女性たちに着物体験会を実施した経験もあったことから、地元の伊勢崎銘仙を若者に愛される服として提案することを決め、2020年6月に法人化した。同年9月にはオンラインショップを立ち上げ、パンツやワンピースなどの衣服の他、スカーフやマスクなどの小物の販売を開始した。

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