コロナ禍で地方銀行が本格参入 地域商社に集まる期待

コロナ禍によって地域間の移動に制限がかかる中で、地域商社の役割や取り組みの拡大に大きな期待が寄せられている。地方銀行は相次いで地域商社を設立し、地域企業の支援を急ぐ。一方、コロナ禍の中で既成概念にとらわれない商品・サービス開発の重要性も高まっている。

地域の優れた産品・サービスの販路を新たに開拓することで、従来以上の収益を引き出し、得られた知見や収益を地域に還元していく「地域商社」。その役割は、販路開拓やブランディングだけでなく、眠った資源の掘り起こしから人材育成、関係人口の拡大など広範囲に渡る。

地域商社は稼ぐ地域を形成するための司令塔であり、まち・ひと・しごと創生本部では、地域商社の設立・普及を最重要の取り組み分野の一つに設定し、地方創生推進交付金によって、これまで100か所以上の地域商社事業の設立・機能強化に向けた取り組みを支援してきた。

銀行が相次いで地域商社に参入

政府の後押しもあり、地域商社の認知度は高まり、設立主体も多様化している。特に2020年~2021年に目立ったのは、地方銀行が主体となった地域商社の設立で、manordaいわて(岩手銀行)、Shikokuブランド(阿波銀行、百十四銀行、伊予銀行、四国銀行)、せとのわ(中国銀行)、詩の国秋田(秋田銀行)などが設立された。

その背景には2つの要因がある。まず2017年の改正銀行法(高度化等会社制度)の施行。当初はフィンテック業務に関する会社設立が多かったが、2019年10月の改正監督指針(いわゆる地域商社業務を営む高度化等会社に係る留意点)の施行以降、地域商社の設立が急増している。もう一つがコロナ禍による地域企業の収益悪化だ。これは地域企業に融資する地方銀行にとっては死活問題であり、新商品開発や販路拡大などの経営支援機能を強化するためにも地域商社の設立が求められている。

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