コロナ禍に開業した醸造所 地元特産品をビールの形で全国へ

益田市の料亭跡地の一部を利用し、高津川水系の水や流域の農作物を使用したクラフトビールを製造する高津川リバービア。シニア層やIターン組の雇用にも積極的に取り組んでいる。公務員から転身し、東京と島根の二拠点生活をしながら新事業に挑む上床代表に、起業の経緯や今後の展望を聞いた。

上床 絵理(高津川リバービア株式会社 代表取締役、工場長)

東京在住の公務員が
益田の地ビールに挑むまで

島根県西部を流れる高津川は、国土交通省の水質調査で何度も日本一に選ばれている一級河川。その恵みを受けて生産されるシャインマスカットやしょうゆ、緑茶などが、2020年10月に誕生した地ビール「TAKATSUGAWA RIVER BEER」の原材料だ。製造・販売を担う高津川リバービアを率いるのは、昨年8月に益田市に移住してきたばかりの上床絵理氏。2004年から10年以上、東京で会計検査院の職員としてキャリアを積んだ後、起業家へ転身した。

「福岡生まれの国家公務員で、島根とは縁もゆかりもありませんでした。ところが、定年後も社会とつながってイキイキと働ける社会をつくりたいと、本業のかたわらでNPO法人(リライフ社会デザイン協会)を立ち上げた時、活動拠点の近くに津和野町の東京事務所があったことから、つながりができたのです。そして、2018年に高津川流域の3市町村(益田市・津和野町・吉賀町)が取り組む関係人口を増やすプロジェクトに参加させていただき、この地域の魅力に引き寄せられました。また、シニアの働く場所をつくろうというNPOとしての目標も、同時に叶えていけるのではと夢が膨らみました」と、上床氏は創業のきっかけを語る。

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