業界に風穴を開けた電脳交通 タクシーのDXから始まる挑戦

従来よりも飛躍的に安価なタクシーのクラウド型配車システムを開発し、業界に風穴を開けた電脳交通。家業のタクシー会社を再建させ、そのノウハウを活かしたサービスを次々と創出。自治体や交通以外の民間企業とも連携しながら新たな地域交通のあり方を模索する、同社の近藤社長に話を聞いた。

近藤 洋祐(株式会社電脳交通 代表取締役社長CEO兼Founder 吉野川タクシー有限会社 代表取締役社長)

家業の再建で見えてきた
タクシー業界の切実な課題

事業者の7割が小規模事業者で、常に厳しい経営状況に晒されているというタクシー業界。ドライバーの平均年齢は60歳と高齢化が進み、国内市場は直近30年で40%の縮小が続く。そこに新型コロナウイルス流行による経済的打撃が重なり、業界全体に急速な変化が求められる中、ITを駆使して地域交通の課題解決に取り組む企業がある。徳島県のベンチャー企業、電脳交通だ。

代表取締役社長CEOの近藤洋祐氏は、メジャーリーガーを目指して18歳の時に単身渡米。怪我の影響もあり20代半ばで夢を断念したが、「何かを通じて世界に挑戦したい」という思いは変わることはなかった。2010年にUターン就職で、徳島の実家のタクシー会社・吉野川タクシーに入社し、ドライバーとしてイチから業界経験を積んだ。

「徳島県のタクシー市場は全国最小で、その中でも吉野川タクシーは9台の車両しかない最小規模でした。祖父母の苦労を目の当たりにして、27歳で経営を引き継ぐことにしたのです」

再建の骨子になったのは、ITを活用した経営の合理化だった。徳島初の「妊産婦送迎サービス」など、ITを駆使した革新的サービスを打ち出していった結果、吉野川タクシーの業績は、廃業寸前から5年間でV字復活を果たす。

「その頃、海外ではUberなどのタクシー配車アプリが登場し、タクシーの需要が急速に高まっていた時期でした。一方、国内のほとんどのタクシー事業者は、配車業務の多くを電話や無線によるアナログで行っていたため、このままではチャンスの波に乗ることができないと危機感を募らせていました。そこで、タクシードライバーと経営者という2つの実務経験を活かし、業界全体の業務効率を改善するプラットフォームを提供することで、地域交通の衰退に歯止めをかけようと考えたのです」

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