QCDAを追求し、縮小社会でも成長 IT・メカトロの活用

八幡ねじは70余年の歴史の中で、人手不足の解消やコスト削減など中小企業にとって不可避な課題を、システム整備・開発や海外進出などへの前向きなチャレンジによって突破してきた。その過程で得た技術、物流体制、国際展開力などを未来に生かすべく、社員の意識改革にも力を入れる。

鈴木 則之(八幡ねじ 代表取締役社長)

ものづくりの町で質を磨く

ねじを中心とした締結部品やDIY関連を中心とした一般消費者向け商材のメーカーベンダーとして年商約280億円の実績を誇る八幡ねじ。その歴史は、鉄工職人だった創業者が戦後復興に伴うねじ需要の高まりに目をつけて独立した1946年から始まった。そして、顧客ニーズに応じて多種多様な製品を取り寄せる問屋として事業を拡げ、屈指のものづくり地域である中部圏でビジネスの質に磨きをかけたのだ。

「厳しいお客様に対応するうちに、品質(Quality)を大切にし、コスト(Cost)ダウンに努め、納期(Delivery)を守るというQCDの意識が培われたのだと思います。その土壌が、ホームセンター向け商品の企画・開発という新事業を発展させる支えとなりました。当時、キロ単位で取引されるのが一般的だったねじを、10本前後に小分けして袋詰めで売るなど常識外れでしたが、DCMカーマ様(愛知県刈谷市)とのご縁をきっかけに全国のホームセンターから安定した受注を得て、システム導入や企画デザインに資金や人材を投入することができました。いまは、お客様に合わせた納品形態(Assortment)を加えたQCDAを日々進化させることで差別化を図っています」と、代表取締役社長の鈴木則之氏は語る。その成果は外部からも認められており、2002年にグッドデザイン賞特別賞、2008年に中小企業IT経済力大賞経済産業大臣賞を受賞。さらに2012年には『愛知ブランド企業』2019年には『はばたく中小企業・小規模事業者300社』にも選ばれた。

経営方針の管理サイクル

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