病院で患者が記入する「問診票」。患者が紙の問診票に書き込んだ事項は、医師の診察前にカルテへ転記するというひと手間が発生している。「問診」を切り口に医療現場のデジタル化を進める動きを追う。

吉永 和貴(フリクシー CEO/医師)
電子カルテが誕生したのは10数年前のこと。現在、クリニックの約40%が導入しており、新規開業の場合は導入が当たり前になっているという。一方で、問診には“紙”が使われ続けているケースはまだ多い。
フリクシーは電子カルテと紙の問診票の“相性の悪さ”に端を発する問題をデジタル化で解決することで、医療の世界を大きく変えようとしている。
現役医師の視点で開発
〈メルプWEB問診〉は、スマホなどを使って患者がWEB上で行ったチャット形式の問診の結果をワンクリックで電子カルテに飛ばせるサービスだ。フリクシー CEOで現役医師の吉永和貴氏は「当たり前になっていて課題意識を感じていない医師も多いですが、入力やスキャンで問診票から電子カルテへ情報を転記する時間が患者さんの待ち時間を延ばしており、医師や医療スタッフから時間を奪っています」と指摘。これが問診システムの開発に至った動機のひとつだという。

スマートフォンで見た場合の〈メルプWEB問診〉の画面。チャット感覚で質問に答えていくことで、患者は診察前の段階から医師とコミュニケーションがとれている感覚を得ることができ、満足度の向上にもつながるという
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