「事業構想」で未来を拓く人材を育成する
マーケティングやファイナンスといった経営管理に必要とされる知識・スキルだけではなく、アイデアを生み出し理想を構想し、実現に向けて踏み出すことが求められている。事業構想大学院大学では、社会の一翼を担い、継続進化する事業を推進する人材を育成している。
2012年の開学以来、すでに多くの事業構想人材を輩出している事業構想大学院大学。企業における事業担当はもとより、経営者や承継者、次世代幹部育成などを行う人事責任者、さらには、地域の活性化を担う自治体職員やNPO職員、医師に至るまで、様々な領域での人材育成に期待が高まっている。
不透明な時代において、既存の枠組みをいかに効率的に運用するか、過去の事例から適切な解を見出し、いかに自らの状況に適用するか、という姿勢では十分とは言えない。マーケティングやファイナンスといった経営管理(MBA)の知識だけではなく、今、現場での実践力が求められている。それは、従来の成功や業界の前例などには縛られずに、新たな価値観によって理想の未来を構想し、その構想の実現に向けて実行する力、つまり、事業構想力と言える。
活きたビジネスモデル研究から
構想へ
事業構想修士課程では、「社会の一翼を担い、進化発展し、利益を生む組織」を研究対象とする。カリキュラムは大きく、環境分析、アイデア、構想、構想計画という流れで進む。
自身が所属している組織であっても、社業の全体を把握しているケースは多いとは言えない。とりわけ、組織の規模が大きくなれば、業務は細分化するため、全体把握は難しくなる。そこで、まずは、自身における環境分析・ビジネスモデル研究を行う。組織の目的、収益モデル、人員体制、営業・マーケティング、顧客、社会的インパクト、などを整理し分析する。自己の環境分析を行うことで、活用できる資源(経営資源)が明確になり、事業構想の土壌ができる。また自身の環境分析のみならず、院生仲間の環境分析を共有することで、過去のケーススタディを分析することでは得られない、活きた「ビジネスモデル研究」を行うことができる。
多彩なビジネスモデル分析と、生み出した多くのアイデアをベースに、時間軸を想定しながら、社会に求められる構想を練り、さらに、経営管理の手法も取り入れて構想計画にまとめ上げる。同大学では、修士論文として事業構想計画書を完成させる。事業構想計画書は、未来の目的地にたどり着くための「航海図」とも言える。
事業の設立後に関しては、経営、マーケティング、ファイナンスをはじめ、研究者もコンサルタントも数多いる。しかしながら、事業設立までの構想段階においては、研究者も実務家も少ないのが現状である。それゆえ、事業構想修士を取得した事業構想人材の存在価値は高い。
多様な教員・院生が研鑽し合う
2年間
同大学の院生たちは、常日頃から神経を集中させ、必要な情報や知識を、気配を察してつかみ取ろうと本気だ。この姿勢から、市場の動きを予知し、先を読む力も備わってくる。
また、経営学・経済学・工学・農学・医学など各分野に深い専門性を備えた専任教員および豊かな研究経験を持つ教員、そして実務家を中心とした150名のゲスト講師が院生の構想を支援している。
特徴的な授業の一つ、年間50回程度開催される「事業構想スピーチ」では、成功を収めている経営者や第一線で活躍する実務家が、未来の事業構想の担い手のために、構想の発想・着想、経営のポイント、成功要因が開示され、院生とともにクリエイティブな議論が展開されている。
地域特性を活かした新事業に
向けて
少子高齢化や過疎化、産業の衰退など深刻な課題が日本各地には山積している。そこで、地域ごとの資源や特性を活かした新事業を生み出す人材を輩出することも社会的使命とし、2018年には大阪校・福岡校を、さらに、2019年には名古屋校を設立。地域の有力企業の経営者や新事業担当者、自治体職員を中心に事業構想研究に励んでいる。今後は、全国に同大学を展開することも構想している。
修了後は、その多くが事業構想の実現に向けて邁進している。東日本大震災で被災した郷里に新たな産業を起こした方もいれば、自身の介護経験を起点に、育児中の方も、家族や職場のサポートを得て通学をするケースでも、安心して利用できる交通ビジネスを開始した方など、それぞれの立場で、多方面で活躍している。修士課程現役生と修了生の交流も活発で、新たな事業構想や、構想の実現に大きく寄与している。
地域から地球規模の問題まで幅広い観点から、理想の社会を描きその実現を目指す人材の育成を行う事業構想大学院大学。「何かを成し遂げたい」「理想の未来を描き、実現させたい」という志のある社会人にとって、将来活躍し続け、社会の一翼を担うために必要な環境が用意されている。