2020年1月号
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地域特集 福島県

風況被害と人口減に立ち向かう 先端産業分野で世界をリードへ

嶋田 淑之(ジャーナリスト、産業能率大学兼任教員)

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東日本大震災に伴う原発事故からすでに8年以上が経過しているが、福島県をめぐる風評被害は収束しない。県の人口は全国ワーストレベルの減少率だ。しかし今、先端産業分野で世界をリードし得る画期的な取り組みが急ピッチで進められている。

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原発事故から8年超
今も残る風評被害

第36回全国中学生人権作文コンテスト(2016)宮城県大会で仙台法務局長賞を受賞した女子中学生(当時)の作文「福島県民お断り」が、今も人々の心を揺さぶっている。

南相馬市で生まれ育った彼女は、被災後、安全な県に避難したが、そこで目にしたものは「福島県民お断り」というステッカーだった。偏見と差別の中で心を閉ざしかけていた彼女を救ったのは、再移転先の宮城県女川町(東日本大震災被災地)の人々の彼女に対する共感豊かな態度だったという。

しかし、被災地以外では、その後も差別や偏見は続く。5年後、九州で発生した震災に際し、彼女の祖母の知人がはるばる現地まで支援物資を届けたものの「福島の物資はいらない」と拒否されてしまう。

状況は徐々に好転しているとはいえ、風評被害はなくなっていない。米や果実をはじめとする福島県が誇る農水産品は国内では価格が低迷し、海外では今なお輸入規制が多く存在する。県内での6次産業化も進んでいない。福島県における1次産業就業者の減少率は全国1位である。

インバウンドも厳しい。台湾やタイ・中国などを中心に対前年度比+35.3%という大きな伸びを示したものの、それでも都道府県別外国人延べ宿泊者数は40位に留まっている(2018年観光庁確定値)。県人口の千人当たり社会増減率も全国ワーストレベル(44位)だ。

だが、曙光も差している。それは「モノづくり」分野での健闘である。

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