2019年12月号
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地方創生の実践へ 議会質問のヒント

行政によるコミュニティ再生 各地が条例で「自治会の活性化」

牧瀬 稔(関東学院大学 法学部地域創生学科 准教授、社会情報大学院大学 特任教授)

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「コミュニティ」は多義的な言葉であり、政策づくりの現場でも安易に使われることがある。近年は条例により、自治体や町内会のような「エリア型コミュニティ」を活性化しようとする機運があり、特に議員提案政策条例が多いという特徴がある。

筆者が地方自治体の政策づくりに関わっていると「コミュニティ」という言葉がしばしば登場する。安易に使われるコミュニティであるが、その持つ意味は多義的である。大きく3類型すると、自治体や町内会のような「エリア型コミュニティ」がある。また、NPOのように何かしらの共通課題により集まった「テーマ型コミュニティ」がある。さらに、リアルの世界ではなくバーチャル(web)の世界を通じて形成された「ICT型コミュニティ」も存在している(図表1)。

図表1 コミュニティの3類型

 

今回は「コミュニティ」に関する議会でのやりとりを紹介する。なお、今回取り上げる議会での質問等はコミュニティ全体を対象とする。コミュニティバス、コミュニティスクール、コミュニティカフェ、コミュニティビジネス、セーフコミュニティなど、個別具体的(施策・事業レベル)の取り組みは別の機会に紹介したい。

議会質問等における
「コミュニティ」の動向

図表2は「全国47都道府県議会議事録横断検索」を活用した「コミュニティ」に関する議会質問等の推移である。議会からの質問と執行機関の答弁が含まれている。図表2を確認すると、趨勢的に右肩上がりで増加してきたことが理解できる。しかし2015年を契機に低減しつつある。

図表2 都道府県議会における「コミュニティ」の質問等の推移

出典:全国47都道府県議会議事録横断検索

 

コミュニティに関する議会でのやり取りは1970年代から確認できる。執行部の答弁になるが、埼玉県議会昭和54年(1979年)2月定例会においては「都市社会施設整備特別事業の考えかたを持続しながら、コミュニティ形成に必要と考えられる施設を新たに加えていくなど、よりコミュニティ施策を全面に打ち出すことといたしたいところでございます」という発言が確認できる。

図表3は各都道府県議会における「コミュニティ」の質問等の回数である。秋田県が26回と少なく、鹿児島県が631回と多くなっている。筆者はコミュニティの衰退が進む都市圏のほうが登場回数は多いと思っていたが、そのような傾向はない。どの都道府県も満遍なくコミュニティに課題としてあがっている。

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