2019年8月号

自治体マーケティング広報フォーラム

「それ、武雄が始めます。」市民と一緒に取り組むブランド構築

古賀 浩紀(武雄市役所 企画部 広報課 広報係長、シティプロモーション室 副主幹)

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温泉や陶芸など武雄市の魅力をPRしていくために新たに設置されたシティプロモーション室。市民と一緒に考え発信していくための3年間の取り組みを辿った。

「それ、武雄が始めます。」のロゴを前に

武雄ブランド構築事業の目的は、「西九州のハブ都市」の実現に向けて、目指すまちの姿を市民とともに明確にし、市内外へPRしていくことだ。

あるテレビ番組の調査では、視聴者の30%が佐賀県の場所を知らないという報道さえあるという。「佐賀県は福岡県と長崎県のあいだに挟まれ、武雄市は県内でも西の方に位置しています。市内には東京駅も設計した著名な建築家・辰野金吾氏が設計した武雄の象徴的な建物『武雄温泉楼門』や、樹齢3000年の大楠などもあり、まちは神秘的な世界観に溢れています。また、平成25年にカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の運営としてリニューアルした市の図書館は、平成29年にこども図書館も併設され、週末には入りきれないほどの人で溢れる観光地となっています」と武雄市役所の古賀氏は語る。

古賀 浩紀 武雄市役所 企画部 広報課 広報係長、シティプロモーション室 副主幹

観光客としてまちを訪れたとき、一番の見所を知りたいと思うのは自然の流れだ。そこで「まちの人から見た武雄市の魅力(イチ推し)」を知ってもらうために、「私はたけ推し!」のWebサイトを立上げ、フェイスブックやインスタグラムで発信している。また、市民から武雄の魅力を伝える動画を応募してもらう「たけおムービー大賞」も行った。市民からホームビデオ風のアイデアを募集し「地域のどのような側面を魅力として切り取るのか」を探る狙いがあった。

シティプロモーション室が2年目を迎えたとき、「市民がまちの魅力に気付き、誇りに思う」シビックプライド醸成が最も重要な課題であると認識。そこで、自分たちのまちの魅力を自分たちで見つけて、発信する取り組みに力を入れてきた。3年目では、さらに市内外へ「武雄」をPRするため、キャッチコピーとロゴを市民とともに作成することとした。コピーライターの中村禎氏によるファシリテーションのもと、3回の市民参加型ワークショップを開催。最終的に「それ、武雄が始めます。」というキャッチコピーとしてまとめた。コピーの決定後は、ロゴも一般公募で募集。応募総数403点の中から最終選考に進んだ3作品を最終候補として、市民投票を行い、7864票の得票数で最優秀作品が決定した。

古賀氏は「これを見たら『佐賀県の武雄市だよね』と気付かれる、明快な旗印が欲しいと考えました」と語る。ロゴは、早速シティプロモーション室の手作りで缶バッジなどのノベルティにして、イベントで配布するなどブランド浸透のために利用している。子どもたちにも「自分たちが選んだロゴだ」と喜んでもらえている。

新しいキャッチコピーとロゴは「それ、○○が始めます。」という形で市民が〇〇に自由に言葉を入れ自ら行動するきっかけとして活用したり、ロゴを使った商品開発を行うなど、市民に利用を促す普及活動を行うという。

今後の交流人口の拡大、誘客には鉄道網の整備も重要になる。現在は、特急では武雄温泉駅からハウステンボスのある佐世保方面へつながっているが、長崎方面への新幹線ルートが建設中だ。「武雄温泉を軸に嬉野温泉を通って大村・諫早・長崎方面へ伸びます。武雄市は、この線上で九州西部へとつながる中心地となります。旅行客にとって単なる通過点とならないよう、旅・行動・情報の拠点となるように進めたいと思います」(古賀氏)。

 

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