JR東の北海道戦略 地域との対話を繰り返し、観光復興の結節点に

東日本旅客鉄道(JR東日本)は、北海道胆振東部地震からの観光需要の回復を目的に、北海道復興支援キャンペーン「旅をチカラに!絶品絶景-HOKKAIDO-」を実施している。長年培ってきた地域との関係性や、常日頃の「対話」が、素早い支援の実現に繋がっている。

赤石良治 東日本旅客鉄道 常務取締役 鉄道事業本部副本部長(営業・観光・オリンピック・パラリンピック担当)

観光の持つ「前向きなパワー」

9月25日、JR東日本のクルーズトレイン「トランスイート四季島」が北海道内での運行を再開した。このニュースは胆振東部地震後の北海道に明るい空気を呼び戻した。

9月25日には北海道内でのクルーズトレイン「トランスイート四季島」の運行を再開

「まだ停電地域も一部ある中で、クルーズトレインを走らせることは、かえって地域の方々の心を傷つけるのではないかという懸念もありました。しかし、現地の声を聞くとむしろ『早く走らせてほしい』という声が多く、四季島の運行再開を決めました」とJR東日本常務取締役の赤石良治氏は言い、こう続ける。

「観光は非常に裾野が広い産業であり、地域を引っ張っていく前向きなパワーを持っています。しかし、観光公害という言葉があるようにマイナス面の影響もあります。地元の方々との密接な『対話』や連携があって初めて、観光産業は成り立つのだと思います。災害復興における観光のあり方にも、同じことが言えます」

復興支援キャンペーンは19年3月まで実施

JR東日本は北海道胆振東部地震からの復興支援として、「旅をチカラに!絶品絶景-HOKKAIDO-キャンペーン」を2019年3月まで実施する。専用WEBサイトによる国内への情報発信やインバウンド向けプロモーションを強化すると共に、「えきねっと」と「モバイルSuica」会員限定のチケット割引、国の観光復興支援策「北海道ふっこう割」の対象商品の販売、旅行会社と連携したツアー商品の発売などを行い、北海道エリアへの送客を促進する。

「キャンペーンの手応えは十分感じています。インバウンドを含め北海道への客足はかなり戻ってきており、さっぽろ雪まつりのツアーは昨年を上回る予約が入っているようです」と赤石氏は話す。

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