UIJターン施策は効果的? 議会質問から読む「人口還流」の課題
人口の社会増を目指すにあたり、「人口還流(UIJターン)」は有効な施策になり得る。特に、生まれ故郷やその近くに戻り定住するUターンやJターンは大きな可能性があり、自治体は全く関係のない人を集めるよりも、UターンやJターンにもっと着目する余地がある。
図表1 「人口還流」の議会質問の推移
図表2 都道府県における「人口還流」の質問回数
議会質問における
「人口還流」の経緯
近年、シティプロモーション(7月号に掲載)に関連して「人口還流」という言葉が浸透しつつある。例えば寝屋川市(大阪府)の「寝屋川市シティプロモーション戦略基本方針」では「人口還流の視点から、将来、自身の居住地に寝屋川市を選択する人を増やすために、学生を対象とした「フューチャープロモーション」を展開することとします」と言及されている。シティプロモーションの政策目標として、人口還流を掲げるのは、那珂市、土浦市(いずれも茨城県)、防府市(山口県)など多くある。
人口還流の定義を確認する。一般には人口移動の現象を指すことが多い。還流とは「再びもとへ流れ戻ること」という意味がある。そこから転じて、狭義にはUターンやJターンと捉えられている。Uターンとは地方圏から都市圏へ移住した者が再び地方の生まれ故郷に戻る現象を言う。Jターンとは地方圏から都市圏へ移住した者が、生まれ故郷の近くの地域(自治体)に戻り定住する現象を指す。
なお、広義ではIターンも人口還流となる。Iターンとは都市圏で生まれ育ち都市で働いていたが、その後地方圏に移動する現象である。
議会において「人口還流」が取り上げられた動向を確認する。図表1は都道府県議会における人口還流に関する質問などの推移である。近年、右肩上がりで拡大している様子が理解できる。次に各都道府県議会における「人口還流」の質問回数を確認する(図表2)。
山口県や青森県が多く取り上げられていることがわかる。全体的には地方圏で人口還流の登場回数が多い。議会質問の実例は、次のとおりである。
全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。
-
記事本文残り67%
月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!
初月無料トライアル!
- 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
- バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
- フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。