マネーフォワード辻CEOが語る「起業家の見えている世界」
日本のフィンテックを代表するベンチャー企業、マネーフォワード。2017年9月に上場を果たし、次々に新サービスを打ち出している。辻庸介CEOに新規事業創出の戦略、自社の向かう先について話を聞いた。
――自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』の利用者数は600万人を突破し、家計簿アプリでシェア1位です。他社の家計簿アプリもある中で、『マネーフォワード』が伸びている要因について、どう見ていますか。
辻 家計簿アプリとして、いち早くスタートしたことで、ファースト・ムーバー・アドバンテージ(先発優位)を得られました。
CEOとは「チーフ・エブリシング・オフィサー」でもあり、あらゆる領域をカバーしながら、フェーズによって私の役割は変わってきます。リリース当初はプロダクト開発が中心で、その後、マーケティングを重視するフェーズに移りました。各フェーズにおいて、成長には何が必要なのかを考え、そこに集中してきたんです。
この1~2年は、調達した資金をもとに、テレビCM等を積極的に展開しています。そうした打ち手の早さが、シェア1位につながったと思います。現状は営業損益が赤字ですが、広告宣伝費などを先行投資としています。
また、サービス設計は、ユーザーの声を聞きながら愚直に改善を続けています。『マネーフォワード』は、銀行や証券会社、クレジットカード、年金などの口座情報と連携し、出入金を食費や光熱費、住宅などのカテゴリに自動で分類して、家計簿を作成します。2650以上の金融関連サービスと連携しており、その対応数もナンバー1です。
そのほか、ユーザーの家族構成や収入、居住エリアの家賃相場など、似た属性の家計データと照合し、「理想の家計」を提示して、自身の節約ポイントが一目でわかる機能も備えています。
米国のアプリ分析大手が発表したレポートでは、2017年の日本におけるファイナンス系アプリのMAU(月間利用者数)は、1位が『楽天カード』、2位が『三菱UFJ銀行』、3位が『マネーフォワード』。家計簿アプリとして、トップのアクティブ・ユーザー数を誇ります。
現在、600万人の利用者のうち、有料会員は13万人。その数値も、まだまだ引き上げられる余地があります。
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