自動車部品を再生、海外へ 85ヵ国に広がる独自ネットワーク

モノを製造する「動脈産業」がある一方で、つくったモノを循環させるのが「静脈産業」。会宝産業は静脈産業のパイオニアとして、自動車部品のリサイクルシステムを世界に広げる。海外においても、モノを再生し、再利用するビジネスを根付かせることに力を注ぐ。

近藤 高行(こんどう・たかゆき)会宝産業 代表取締役社長

中小企業として初めて、国連が主導するBCtA(ビジネス行動要請)に加盟した会社がある。BCtAとは、本業のビジネスで貧困削減に貢献するという世界的な取り組みだ。国連開発計画(UNDP)が事務局を務め、複数の政府と国際機関とが連携し推進している。日本では旭化成や資生堂など大企業が名を連ねる中、石川県金沢市の会宝産業が11社目の加盟となった。

会宝産業は、自動車の買取・解体を行い、部品を国内外へ販売しているリサイクル会社だ。そのノウハウを途上国にも伝え、現地企業の事業化をサポートすることで、雇用創出にも貢献している。ビジネスと持続可能性を両立した取り組みが、国連から評価されての加盟だった。

世界にリサイクル産業を広げるため、海外現地企業に対するリサイクル工場の運営支援や、人材育成にも力を注ぐ

車の中古部品を85ヵ国へ輸出

会宝産業の設立は1969年。現会長の近藤典彦氏が、自動車解体業としてスタートした。今では、世界85ヵ国へリサイクル部品を輸出している。

創業当初は、解体後の鉄くずを国内の事業者へ販売していた。

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