スマホ・インスタ時代に「映える」自治体とは? 写真PRの潜在力

インターネット利用の主な端末がスマートフォンとなる中、地方PRでもSNSや写真、ビッグデータを活用した政策の重要性が増している。北海道美瑛町はそれらを活用した観光戦略で町の魅力を世界に発信している。

東京カメラ部 代表取締役社長 塚崎秀雄氏、美瑛町長 浜田哲氏

SNSで写真の力はより強大に

消費者がインターネットを利用する端末は、スマートフォンが主になっている。そしてスマートフォンでは、若い世代を中心にブラウザーを立ち上げず、SNSなどのアプリだけを利用する人が増えている。

「このような中で、地方自治体などが効果的に地方PRをしていくには、多くの人が見るスマートフォンのSNSのアプリ内で拡散される必要があります」と、東京カメラ部代表取締役社長の塚崎秀雄氏は指摘する。

東京カメラ部は、SNS運営の受託や写真投稿サイトの運営を主な事業としている。写真投稿サイト「東京カメラ部」は日本最大級の審査制写真投稿サイトで、その「分室」を合わせると約317万人のファンがいる。これらのファンによって、毎日1万以上の写真が投稿される。

「SNS内で拡散されるためには、写真が非常に重要です。写真撮影は文字入力より簡単で、モニターでは写真が映えます。写真は言語の壁も超えられるので、スマートフォンやSNSでPRする際には、最も適しています」(塚崎氏)

東京カメラ部は、国や自治体の写真やSNSを使ったPRにも協力している。今年10月に日本政府観光局(JNTO)が開設したInstagram公式アカウント開設イベント「UnknownJapan」をJNTO、Instagram社と協同で開催したのもその1つだ。東京カメラ部では写真を客観的に評価するため、自社で分析・保有する世界各国の画像評価結果に関するビッグデータも活用している。

景観を守る美瑛町のポリシー

東京カメラ部と連携している北海道美瑛町では、写真やSNSを活用した町のPRを行っている。人口約1万人で、「丘の町」として知られる美瑛町の美しい景観は、昭和50年代に写真家・前田真三氏の作品を通じて全国に知られるようになった。

1980年代にはゴルフ場開発が計画され、景観維持が困難になった時期もあった。そのような中で、民間企業を経て町議会議員になり、1999年以降、町長を務めてきた浜田哲町長は、景観を守るための様々な努力を続けてきた。

美瑛町の観光戦略では、根幹事業である農業を起点に観光業、写真家を連携させ、SNSで拡散させていく。写真の力を最大限に活用し、町の素晴らしさを国内外に発信すると共に、そのブランド力を向上させる。町を訪れる観光客の数は近年、さらに増加している。

「コミュニケーション・ツールとしての写真、映像には、すごい力があります。写真を写す方々と農家の方々、住民の方々の感性は異なりますが、色々な感性の方が集まってコンセンサスを形成し、共存できるまちが良いと思います」(浜田町長)

春には「丘のまち美瑛 景観・写真国際フォーラム2017」を試験的に開催した。そして、来年は東京カメラ部の協力を得て本格的に開催する予定だ。写真を文化として取り入れ、コミュニケーション・ツールとして活用し、人々が交流できるまちづくりを東京カメラ部とともに目指している。

 

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