2017年6月号
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地域イノベーターの育て方

「失敗を恐れない」心をつくる 小学生への起業家教育、全国へ

平井 由紀子(セルフウイング 代表取締役)

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90年代から研究を開始し、早くから若年層を対象とした起業家教育に、取り組んできたセルフウイング。個別のスキルよりも、土台となるマインドセットを重視し、起業を疑似体験するプログラムを通して、「不確実性の時代」に必要な資質を育む。

平井 由紀子(セルフウイング 代表取締役)

政府統計によると、日本の開業率は約3%で、欧米の約10%の3分の1にすぎない。そうした状況に対し、「日本にも起業家精神が育つ土壌はある」と断言するのは、起業家教育を手掛ける大学発ベンチャー、セルフウイングの平井由紀子代表だ。

「日本でもほんの数十年前、戦後の時期には数多くのベンチャーが生まれました。ベンチャーから育った大企業もたくさんあります。日本にも起業家精神はあるんです」

起業の一連のプロセスを体験

平井代表は出版社を経て、米国ベンチャーの日本法人で勤務。そのときにベンチャーが生まれる土壌に関心を抱き、早稲田大学で起業家教育について研究した。そして2000年、起業家教育を提供する会社、セルフウイングを設立した。

起業家教育で平井代表が重視しているのは、「従来の勉強、テストでは測れない能力」を育むことだ。

「重要なのは、『不確実性への対応』、『実際の経済との接点』、『失敗を恐れずに挑戦する気持ちの育成』の3つ。小学生向けのプログラムでも、仮想の会社を立ち上げて事業計画書を作成し、商品の製造・販売、銀行借入や資金繰り、決算書の作成までを体験します。そのプロセスを通して、課題を自ら解決する力、仮説・検証の力、他社との関りなどを学びます」

セルフウイングのプログラムは、小学校高学年から大学生、社会人までを対象としているが、平井代表は初等教育での展開を重視する。

「当初、小学校で『お金』や『ビジネス』を扱うことに対しては、拒絶反応も強かったのですが、起業家教育は小学生からやったほうが効果的という結果が出ています。大切なのは、スキルの習得よりも、土台となるマインドの育成。頭が柔らかい小学生のほうが、不確実性に対応する、失敗を恐れないといったマインドセットが醸成されやすいんです」

不確実性の時代に、失敗を避けることばかりを考えていたら、何もできなくなる。不確実性を有利に取り込むには、失敗を恐れないこと、失敗から学ぶことが重要になる。

セルフウイングの起業家教育プログラムは、参加者があえて「失敗」を経験し、学びを得られるように工夫されている。

「子供の頃にマインドセットをつくっておけば、高校、大学になっても『起業が一つの選択肢』と考えるようになりやすい。結果的に起業しなくても、自ら課題を見つけ出し、試行錯誤して解決する力は、これからの社会で役立ちます」

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