「仕事づくり」よりも「役割づくり」 過疎地域で起業する方法

地域の約94%が森林という高知県高知市土佐山に、起業を目指す若者や、大企業が集う。土佐山アカデミーが実践する、多様な課題を抱える山村地域だからこそ可能になる、仕事づくりの方法とは?

土佐山アカデミーは、「EDGE CAMP」などの起業家養成プログラムを展開。毎回、多くの参加者が集まる

2005年に高知市に合併された旧土佐山村は、高知県の中心部に位置し、坂本龍馬が少年時代に泳いだと言われる鏡川の源流点がある山村地域だ。人口は2000年から右肩下がりで減少を続けており、現在の人口は約1000人。そんな地に、4年間で1万人近くの交流人口を生み出しているのが「土佐山アカデミー」だ。

土佐山アカデミーは地方での起業を目指す若者や大手企業に対して、多岐にわたる学びのプログラムを提供している。とはいっても、そうした活動によって、土佐山地域が劇的に変化したわけではない。

少子高齢化と人口減少に歯止めは利かず、数えるほどしかない商店も風前の灯。山は竹林が侵食し続け、荒れている。

しかし、土佐山アカデミーの事務局長・吉冨慎作氏はこう話す。

「地域の課題は資源になる。課題がたくさんあるほうが、ビジネスをたくさん生み出せるんです」

吉冨 慎作(土佐山アカデミー 事務局長)

「わらしべ長者」のように

土佐山アカデミー自体も課題を『資源』にして、変化を遂げてきた。2012年に設立され、当初は地域の人から循環型の生活を学ぶことを目的に、長期滞在型の自然体験プログラムを行っていた。

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