2017年5月号
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第1回DMO全国フォーラムレポート

観光まちづくりに必要な「人材」と「資金」を提供し、支援する

渡邊 准(地域経済活性化支援機構(REVIC)常務取締役)

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地域が潤う観光まちづくりを進めるためには、資金調達とそれを適切に運用する人材が欠かせない。その重要な位置を担う機構がREVICである。

REVICが出資したWAKUWAKUやまのうちが2016年に開催したランタンイベント(上)。実施前の店舗・旅館(下)をリノベートして開業した

 地域経済活性化支援機構(REVIC)は官民ファンドである。資本金261億円のうち、国が161億円を出資、民間が100億円を出資して運営している。観光・ヘルスケア・地域中核企業などを中心としたテーマファンドを作り、関連事業者へ投資を行っている。特に地域金融機関との連携を通じて、地域からの魅力発信に力を注いでいる。観光ファンドに携わる職員は、専属・兼任を含め20名弱。観光向け12本の他、全国で35本のファンドが進行し、宿泊施設の改装費用などに投資している。連携する民間事業者ほか、内閣府・観光庁や金融庁ともつながりを持ち、大規模かつ組織的な展開に応える体制をとっている。

 なお、REVICの投資先は全て会社組織(company)である。したがってここではDMC(DestinationManagement/Marketing Company)の呼称で統一する。

 ファンドマネージャとして様々な産業を扱った経験からすると、観光産業が諸産業のなかで立ち遅れていると実感している。これは裏返せば、成長の伸びしろが大きいことをも意味する。REVICは地銀や県庁・観光協会と連携を強化することはもちろん、事業の最終的な現場である市町村とやり取りを密にして取り組んでいる。

 事業への投資に際しては、「地域として、どのような観光地になりたいか」という像(ビジョン)の確立を強く求めている。

 具体的な投資事例として、以下四つの地域を考えてみる。まず、長野県山ノ内町である。山間の典型的な温泉郷で、その観光資源は一次産業(リンゴ生産)と宿泊からなり、湯田中温泉で古民家リノベーションを行う観光DMCが活動している。次に、福井県小浜市である。若狭地方の中心都市であり、水産物加工・販売など二次産業と流通業が産業構造上重要な位置を占めており、観光客向けの水産物新商品開発・売り場の変革を、観光DMCの主要な取り組みとしている。第三に、佐賀県有田町である。後ほど詳しく触れるが、窯業を中心とした産業構造を持ちながら、町全体に活気が乏しく、街並み再生に向けた取り組みが求められていた。また高知県物部川流域では、一次産業の比重が高い産業構造、西島演芸団地、ヤ・シィパークなど豊富な自然観光資源、「香美市立やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」(通称「アンパンマンミュージアム」)などの文化施設を活かし、観光と6次化(一次産業の巻き込み)が重要と考えられる。同地でこうした日本初の事業を担うDMCは、域内の観光事業者等との資本・業務提携により連携を深めている。

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