庄内の豊かな資源を生かす 庄内事業構想プロジェクト研究報告会
学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学(本部:東京都港区、学長:田中里沙)は、山形県酒田市協力のもと、付属研究機関である事業構想研究所と住友商事株式会社の共催で「庄内事業構想プロジェクト研究」を実施している。2025年3月28日、プロジェクト第2期の研究成果報告会が開かれた。
集合写真
「庄内事業構想プロジェクト研究」は、日本有数の穀倉地帯であり、山岳信仰の聖地や古来親しまれた温泉などの豊かな地域資源を有する庄内地域の魅力と可能性を最大限に引き出し、未来につながる事業を構想する研究会として2023年に始まった。今般2024年度第2期のプロジェクト研究が終了、10名の参加者が研究成果として事業計画を発表した。どの発表もローカルな課題に正面から向き合いながら、新規事業のコンセプトと事業計画を打ち立てた。今後もマネタイズなどの課題をひとつひとつクリアしながら、実現に向けて動いていくという。ここでは4名の報告を紹介する
「酒田市さつまいも村」
酒田市のさつまいも生産者である阿部一幸氏は、「山形県酒田市さつまいも村」構想を研究した。2020年にUターンして就農した際の初年度の売り上げが26,000円という厳しい現実に直面。収益化のため、規模拡大ではなく、「ブランド化」に焦点を当てた。
その「ブランド」の要件として「歴史」「希少性」「品質」に加えて、「情緒的価値」にアプローチ。品質については、山形大学と連携して栽培方法の研究を進める。その上で、誇れる特産品にするとともに、「さつまいも村」そのものを地域住民や顧客、自治体や教育機関を繋げるプラットフォームとする。活動する者を「村民」と称し、新たな人間関係が創出される場として機能させるのだ。
県内外の保育園や学校に栽培、収穫に参加してもらうほか、一般の収穫体験者を、旅行サイト「じゃらん」を通じて募集し、関係人口を増やしていく。新規就農者への技術承継の場としても機能させることで、さつまいも生産地としての持続可能性も担保する。

県外からも訪れるさつまいも収穫体験
障がい者の「働きたい」を支援
訪問看護ステーション アムザ酒田の土田彩加氏は、障がい者の就労・起業支援サービスを構想する。
訪問看護を通じた障がい者との対話の中で、「やりたいこと」を明確に持つ人が多いことが実感としてあった。また、県内労働生産人口の減少、障がい者の就労機会の少なさという現実の中で、「働きたい」障がい者の力を生かすべきだという思いを強めてきた。
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