外国人観光客が急増する北海道 インバウンド500万人・観光で稼ぐ

豊かな自然環境や独自の食文化をもつ北海道。外国人観光客が急増しており、北海道創生に大きく寄与しつつある。観光や食の分野を中心に、知事の基本構想を聞いた。

高橋 はるみ(北海道知事)

――(編集部)観光や食など北海道の強みを活かすには、特に、何に注目して取組をされていますか?

高橋 知床世界遺産や23の自然公園に代表される豊かな自然環境には、希少種を含む多様な動植物が生息・生育しており、その景観と併せ、優れた観光資源にもなっています。また、太陽光や風力、バイオマス、地熱など、再生可能エネルギーの宝庫でもあります。

雪や寒さといった冬の気象条件は、道民にとっても時に厳しいものではありますが、樹氷やダイヤモンドダストといった神秘的な自然現象やゲレンデの良質な雪、雪まつりに代表される道内各地の冬のイベントは、海外からの旅行者にも好評な観光資源です。また、冷涼な気候や積雪寒冷地であることは、農業や住宅、省エネ・新エネなどの分野で、技術開発が進む要因になり、冬に貯めた雪や氷を雪氷冷熱として活用する試みも各地で進められています。

こうした様々な強みを活かしながら、官民で地道な努力を積み重ねてきた結果として、今日の「北海道ブランド」が培われてきたと考えています。ありがたいことに、民間企業の都道府県魅力度ランキングで連続1位となるなど、国内では高い評価をいただいています。しかし、人口の減少などにより、国内需要の縮小が見込まれる中、本道の発展のためには、「北海道ブランド」をこれまで以上に効果的に発信し、海外への浸透を図り、アジアをはじめとした成長力を取り込んでいくことが不可欠であると考えています。

その代表格として取組を進めているのが、食産業と観光です。食産業については、食品輸出額の目標を、2014年の実績が663億円のところ、2018年に1,000億円、さらに2025年に1,500億円まで伸ばすという目標を掲げています。観光については、2020年をめどに外国人来道者数を300万人にするという公約を掲げてきましたが、政府が訪日外国人旅行者数の目標値を2,000万人から4,000万人に引き上げ、本道においても2015年度に200万人を突破するなど、目標の達成が視野に入ってきたことから、新たに500万人を目指すという高い目標を掲げました。

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