中国で奮闘する日本人の矜持 財務省・マッキンゼーを経て起業

財務省、マッキンゼーを経て、中国で起業家として独立。游仁堂・金田修CEOは、数々の困難に直面しながらも、中国でビジネスをすることの「面白さ」に魅せられている。

上海にある游仁堂のオフィス。今年に入り、日本人の社員も採用したが、多くは中国人だ

東京大学を卒業して財務省に入るという、絵に描いたようなキャリアを歩みながらも、わずか4年で退官し、マッキンゼーに入社。マッキンゼーでも日本支社の最年少パートナーになるなど、華々しい実績を築いた。しかし、さらなる挑戦を追い求めて独立。游仁堂(Yo-ren Limited)のCEOとなった金田修氏が今、力を注ぐのは中国ビジネスだ。

あえて困難な道を行く

金田CEOは、1997年に財務省に入省。山一證券が破たんし、金融行政への不信が高まっていた時期であり、省内にも沈滞した空気が漂っていたという。そうした中で、金田CEOは、99年にスタンフォード大学のサマースクールに行き、さらにロチェスター大学経営大学院への留学を経験した。

「日本はリスクを避けますが、アメリカでは、『どれだけリスクをとれるか』も能力の一つとされていました」

97年入省の同期が少なからず財務省を去っていく中で、金田CEOも転職を決意。2001年、マッキンゼーでコンサルタントとしてのキャリアをスタートさせた。

マッキンゼーでは、主に小売業を担当し、さまざまな企業の戦略策定、経営改革に携わった。アジア各国を飛び回り、企業の成長に貢献しながらも、金田CEOは物足りなさを感じていた。

「日本の小売業は、コンビニやアパレル、ショッピングセンターなど、各カテゴリーにアジア1位の企業がいて、各国で高く評価されています。中国以外のアジアで小売業のビジネスを成長させるのは楽しいのですが、挑戦している感覚があまりなかったんです」

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