森林をまるごとテーマパークに 「人口2800人の町」の挑戦
面積の9割超を森林が占める池田町。林業の衰退により、人口の流出が進み、町は危機感を募らせていた。苦境の打開に向けて、町が観光振興の切り札としたのが、「森林」という地の利を活かした体験型施設だ。
福井県の東南部に位置する人口2800人程の小さな町、池田町。面積の90%以上を森林が占めており、かつては林業で栄えた。しかし、安価な外材の流通により林業は衰退。町に仕事がなくなると、人口流出が急速に進んだ。少数の組合員を除いて林業に従事する者はいなくなり、豊かな森林には誰も立ち入らなくなっていった。
起死回生のプロジェクト
その池田町で森林を活用し、人口減少を解決するためのプロジェクトが始動した。その名も「ツリーピクニックアドベンチャーいけだ(TPA)」。このプロジェクトでは、1ヘクタールの森林をまるごとテーマパーク化し、樹上10mの高さでのアスレチックや、森の上を滑空する全長約1kmのジップライン、豊かな森が生み出す清流をゴムボートで進むラフティングなどを楽しむことができる。
町が6億6000万円を投じた、まさに起死回生のプロジェクトだ。運営は第3セクター「まちUPいけだ」が担う。プロジェクトの責任者である山田高裕氏は、その狙いをこう話す。
「目的は池田町への移住者を獲得し、定住人口を増やすことです。そのためにまずは交流人口を増やし、地域のファンを増やす必要があると考えました。TPAをきっかけに足を運んだお客様が、農村体験プログラムなどにも参加することで池田町の取り組みを知り、理解と愛着が増す機会となることを期待しています」
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