2016年5月号
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プロジェクトニッポン 福井県

「下町ロケット」のモデル企業 「編み」の技術で「人体の中」へ

髙木 義秀(福井経編興業 代表取締役専務)

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ドラマ『下町ロケット』のモデルとなった企業が、福井市にある。衣料素材の製造を手掛けながら、人工血管や心臓修復パッチの開発に進出。福井経編は、未知の医療分野に挑戦し、さらなる成長を目指している。

1本の糸を縦方向に連続して編み上げていく「経編(たてあみ)」の技術。福井経編は関連会社を含め、100台もの編機を保有している

『経編』という編み物をご存知だろうか? 一本の糸を縦方向に連続して編み上げたものであり、代表的な製品には衣料素材がある。これら経編など繊維産業は、福井を代表する地場産業だ。しかし、県内繊維産業の出荷額は1990年代初頭の4995億円をピークに、2010年には2306億円と半減している。

繊維産業の主な収入源は、原糸メーカーから糸の提供を受け、生地に編み上げる委託加工の『編み賃』である。出荷額の減少は、工程そのものがアジア諸国へと移行した結果だ。そうした中で、日本の経編業界のパイオニア・福井経編興業は、新たな領域を開拓して成長を遂げてきた。専務の髙木義秀氏は、こう語る。

「創業から70年経ちますが、当社は同じ仕事を繰り返してきたわけではありません。時代の流れを常に考えて、挑戦を続けています。社員とその家族を守ることが、企業の責任ですから」

福井経編は1990年ごろから委託加工だけでなく、自ら衣料品などの製品を企画・販売する「自販」の活動を開始した。付加価値が低いところから高いところへ、事業の転換を図ってきたのである。

髙木義秀福井経編興業 代表取締役専務

生産と販売で独自の戦略

福井経編の年商は43億円、社員数は約90名。福井の繊維産業を代表する企業であり、経編では日本でトップクラスのシェアを持つ。

「編機は関連会社を含めると、合計で100台保有しています。日本全国の編機は1000台程度ですから、およそ1割を当社が占める計算です。かつ生産量は日本全体の23%です」

そのシェアの高さは、技術革新に力を注いできた結果でもある。

残り65%

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