カード会社の地域活性事業? クレディセゾンの新しい挑戦

クレディセゾンは東日本大震災で被災した三陸鉄道の復旧支援を契機に、カード会員と地域を繋げる地域活性化プロジェクトの推進を始めた。カード会社ならではの資源を活かして、社会価値の創造を目指していく。

クレディセゾンが三陸鉄道支援の一環で企画した枕木プレート視察ツアー

津波被害から立ち直り、全線運転を再開した三陸鉄道。実は、一部区間の枕木には復旧支援者の名前が点々と刻まれている。これは『枕木に名前を残そう』というクレディセゾンの三陸鉄道復旧支援プロジェクトの成果だ。カード会員に1口1万円の復旧支援金を募り、名前を線路の枕木に刻印するもので、最終的に1486口もの応募が集まった。

クレディセゾンは会員数2800万人と国内最大級のカード会社であり、東日本大震災では会員から被災地への義援金は6億円に達した。「このようなお客さまの強い気持ちを、被災地に直接、目に見える形で届けられないかと考え、クレジットカードと同じく生活を支えるインフラである三陸鉄道の支援に至りました」と、同社カード事業部営業企画部長の相河利尚氏は話す。

三陸鉄道復旧支援プロジェクトでは、被災レールを復興を象徴するオブジェとして販売したり、永久不滅ポイントの交換アイテムとして三陸鉄道オリジナルグッズなどを提供したりと、さまざまな企画を実施した。『枕木に名前を残そう』から派生して、設置後のプレートを視察するツアーも開催。全国から家族連れや鉄道ファンなど70人が参加し、三陸鉄道社員から震災の教訓を聞く貴重な機会となった。

カード会社の消費喚起力を活かす

顧客と被災地を繋げ、社会価値を生み出したこのプロジェクトは、クレディセゾンが地域活性に本格的に目を向けるきっかけとなったと相河氏は言う。

相河利尚 クレディセゾンカード事業部営業企画部長

そして「多くのお客さまとのネットワークを持つ当社だからできる地域活性化プロジェクト」を検討し、スタートしたものが『街カードフェスタ』だ。開催エリアの対象施設でカードで買い物をした人の中から、抽選で施設商品券をプレゼントするなどの特典を提供、消費や地域への訪問を促進するもので、2015年は北海道や千葉、岡山など全国24カ所で開催した。

「消費喚起という目的を第一に考え、他のカード会社とも連携して開催しています。地域で買い物をする楽しさを伝え、消費を喚起することで、結果としてクレジットカードの利用拡大にも繋がってくれればと考えています」

また、大分県では県庁と連携して地産品をピックアップして賞品とし、県全域でフェスタを開催した。「自治体との連携も増やし、一過性に終わらない地域の振興策を提案していきたい」と相河氏。カード会社ならではの消費喚起力を地方創生に活かしていく。

お問い合わせ

  1. 株式会社クレディセゾンカード事業部 営業企画部 プロモーション戦略グループ
  2. TEL:03-3988-8084(営業時間:平日9:00-17:30)
  3. URL:http://www.saisoncard.co.jp

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