『東北食べる通信』 「食」の物語、全国で人をつなぐ

2013年7月、月刊誌『東北食べる通信』が創刊。その思想は各地に飛び火し、現在では、東北以外の全国から17誌が刊行中という一大ムーヴメントとなっている。創刊から2年半が経過した今、その規模はさらなる広がりを見せている。

雑誌とそこで取り上げている食材をセットで届ける、新しい情報誌『食べる通信』。「食」の背景にある思いや物語を届け、つくる人と食べる人をつなぐ

月刊誌『東北食べる通信』は、業界初となる食べ物付き情報誌として2013年7月に創刊した。発起人であり、発行元となるNPO法人東北開墾の代表を務めるのが高橋博之氏だ。

創刊のきっかけは東日本大震災。未曾有の天災の後、当時岩手県議だった高橋代表は被災地に幾度となく足を運んだ。その惨状を知る中で1次産業の活性化に尽力したいと思い、NPO法人を設立した。

「姉が障害を抱えていたこともあって、昔から効率という物差しだけでは測れない豊かさがあるという思いが、ずっと自分の中にありました。それが震災で一層強くなり、人間の共通項であり命の根源である『食』を改めて見直す機会となりました」

これが『食べる通信』というプロジェクトのスタートだった。

高橋 博之 NPO法人 東北開墾 代表理事

構想からわずか3ヵ月で実現

当初、高橋代表は通販の宅配サービスに近いものを考えていたが、知人のアドバイスもあり、そのアイデアは、食材を特集した「雑誌」をつくり、「付録」として食材を付けるというものに変わっていった。通常のサービスで、食材がメインで冊子がサブだったものを逆転させたのである。

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