社員の半数はUIJターン者 宮崎発のITベンチャー、アラタナ

UIJターン者が社員の半分以上を占める、宮崎市のITベンチャー企業「アラタナ」。「宮崎に1000人の雇用をつくる」という目標を掲げ、全国から優れた人材が集まる。地方で伸びる企業の条件とは何か。創業メンバーの一人で副社長の山本稔氏に聞いた。

山本稔(アラタナ取締役副社長、最高執行責任者(COO))

大容量データのやり取りを可能にする通信環境が整い、これまで東京など都市圏でなければ成り立たなかった仕事が、地方でも可能になった。地方にUターンし、趣味を楽しみながら仕事をするというライフスタイルは確実に増えている。

アラタナ副社長で創業メンバーの山本稔氏自身もその一人だ。

「宮崎に来てみると、趣味のサーフィンが一年中楽しめるし、街の雰囲気も温かい。ここで、おもしろい仕事ができれば最高だなと思いましたね」

2007年に設立されたアラタナは、WEBショッピングサイト構築・運営支援を手掛けるITベンチャー。およそ1000社の顧客を持ち、そのうち9割は東京の企業である。まさに、場所を選ばずに企業が成長できることを体現している企業だ。

主力事業はWEBショッピングサイト構築・運営支援。約1000社の顧客をもち、その9割が東京の企業だ

顧客の9割は東京 地方企業のマイナスはない

山本氏は三重県出身。鈴鹿工業高等専門学校を卒業後、前川製作所に入社した。2年目に宮崎支社に配属されるが、当時IT起業家のライブドア堀江氏が語った「創業したら、一番、力を入れないといけないのが営業」ということばに影響を受け、25歳でリクルートに入社し、タウンワーク宮崎の営業に関わった。

「求人の仕事をしていましたが、自分が働きたいと思える会社がありませんでした。それならば理想の会社を自分で作ろうと思いました」と山本氏は語る。

「同時に、『人はなぜ働くのか?』ということに興味がわき、色んな人の考えをWEBを使って広く発信したいと考えていました。そのとき、紹介してもらったWEBデザイナーが、現社長の濵渦伸次でした」。未来の働き方とWEBに関する熱い議論は、いつのまにか、一緒に会社をつくろうという計画に変わった。

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