サッカーで世界を良くする

6月12日に開幕するFIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップ(W杯)ブラジル大会。7月13日の決勝までの1ヵ月は世界中が熱気に包まれる。なにしろFIFAの加盟協会数(メンバー国)は209と、国連加盟国の193より多い。世界屈指の影響力を誇るこの組織を率いるジョセフ・ゼップ・ブラッター会長の言動を追った。

Joseph "Sepp" Blatter(ジョセフ・ゼップ・ブラッター) 国際サッカー連盟(FIFA)会長

U-20や女子W杯を立ち上げ

ブラッターがFIFAに入職したのは1975年。技術委員長としてすぐに、当時のジョアン・アヴェランジェ会長(74~98年)が温めていたアイデアを具現化する役割を担った。

アイデアとは、一言でまとめるならば、サッカーの世界戦略だ。社会貢献を前面に打ち出して評価を高め、サッカーをさらに普及させ、企業のパートナーを確保する。“近代的な商業化”といえるかもしれない。これによりFIFAは、これまで以上の放映権やチケット収入、グッズ販売を手にし、莫大なマネーを動かす組織となった。

FIFAが主催する大会は75年当時、男子のフル代表が集まるW杯しかなかった。ブラッターは77年に「U-20(20歳以下)」ナショナルチームのW杯(当時の名称は「ユース選手権」)を立ち上げた。これに続く形で、85年にU-17(17歳以下)、89年にフットサル、91年に女子のW杯を次々とスタートさせていく。

アヴェランジェの信頼を得たブラッターは出世街道に乗り、81年にFIFA事務局長、90年には最高経営責任者(CEO)に就く。98年6月には8代目のFIFA会長に就任。現在は4期目を務める。

ブラッターの哲学は「football for all, all for football」(すべてのためにサッカーを、サッカーのためにすべてを)だ。

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