2014年5月号
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強い"企業理念"

理念の物語を内省し、知を継承

金井壽宏(神戸大学大学院経営学研究科教授)

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経営における理念(原理・原則)、経験、物語、議論の大切さとは―。理念とは、さまざまな経験から学び、気づきを得ながら、仕事の中で受け継がれていくものである。

企業経営もそうですが、私たちが何かアクションを起こす場合、最初は原理・原則を飲み込むことから始めます。野球選手の打者を例にとると、まず身につけるのは、基本的なバッティング法です。

そのような原理・原則にのっとった基本を実践するために、第三者からアドバイスや感想を聞くことはとても重要で、それにより不安や疑問も解決されます。さらに各分野のスペシャリストや上級者を手本にし、より高度なテクニックを体得できると、原理・原則に経験が裏打ちされ、具体的に言語化することができます。

言語化とは『コツの要約』です。理念による原理・原則からアクション、そして言語化、伝達、継承というプロセス、それが経営学だと考えます。

理念の言葉の本質を探る

金井壽宏
神戸大学大学院経営学研究科教授

理念(原理・原則)について考える際、参考となる事例の一つに「せいかつ共同組合コープこうべ」があります。その組織は「愛と協同」の精神を原点に、組合員の暮らしを支える活動を進めていて、「コープさん」という呼び名で地元の方々に親しまれています。「組合員の皆さんに対する供給責任が大事」というフレーズ、「愛と協同」といった理念は、確かに大変立派な考えですが、言葉だけ捉えると抽象的です。しかし、その言葉の本質を考えながら、さまざまな経験を積むことで、徐々に一つひとつのピースがつながり、初めて言葉の持つ意味が深く浸透していくのです。

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