2014年4月号

MPDレポート

発展途上国の社会課題を解決する「電子母子手帳」の開発

月刊事業構想 編集部

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本学の院生は社会の課題から事業の種を探し、事業構想を構築している。様々なバッググラウンドを持つ院生たちは、各々の強みを生かした異業種連携が活発に行われている。2月上旬都内にて、世界銀行主催で開催されたイベント、「グローバル防災・減災ハッカソンRace for Resilience」の東京大会にて、3名の院生が参加するチームが優勝をした。

『Save the Baby』をテーマに、「発展途上国で使える電子母子手帳アプリ」の開発を試みた。
photo by Takahashi, Race for Resilience, CC BY

世界銀行の東京防災ハブの立ち上げを記念してイベントは開催された。ICTを防災・減災に活用し、イノベーションを推進することを目的としている。「発展途上国×防災・減災」という日本ではなじみのうすいテーマに挑戦するこのハッカソンには、プログラマーやエンジニアに加え、発展途上国で支援を行う専門家、学生など、様々な職業、バックグラウンドをもつ参加者が集結した。実行委員長の古橋大地氏はイベント主旨について話す。

「世界銀行はこれまで途上国のインフラ整備をメインに行ってきました。しかし命を助けるためにはインフラだけでなく"コミュニティ"をつくることが大切です。個々の強みを生かし様々なやり方で、途上国の助けとなる新たなコミュニティづくりを目指しています」 東京、石巻、名古屋の3会場にて開催。本学の院生である黒田千佳氏、井部修氏、石鍋大輔氏はエンジニアや教育心理カウンセラー他、多様なメンバーとチームを組み、東京大会に参加した。

もともと黒田氏は一昨年の入学当初から、電子母子手帳のアイデアを考えていた。「東日本大震災で母子手帳が流され困った人がたくさんいます。電子母子手帳が必要だと思いながら、個人でつくることは資金面でも難しく、差別化につながる新たな価値が見いだせずにいました」(黒田氏)。大学院2年間における授業やゼミを通して、電子母子手帳の本質価値を見出した。

それは、日本で生まれ育った母子健康手帳を、世界の公共財としてWEB化することにより、災害時の危機管理ツールとして世界防災・減災に繋げる「安全・安心」という新たな価値だった。世界の母子の健康(成長と生存)の不均衡を解消する構想として事業を計画。今回のハッカソンでアプリとして具現化し、優勝に至った。

「今回のハッカソンは単なるプログラミング大会ではなく、仕組みや物も含めプロトタイプを作ることが目的です。ハッカソンという手法ではありますが、重要な視点は『社会課題解決』ができるかどうかです」(古橋氏)

「"母子手帳"は全世界でニーズがあるもの。いつか使えるICT技術ではなく、いま発展途上国の人々を救える技術こそ価値があります」(石鍋氏)

「近年の技術やサービスは細分化されがちです。発展途上国含めて全世界が普段から使えるものを考えることが、事業の本質に結びつくと実感しました」(井部氏)

「私はこの大学院に、本質を探しに来ました。私自身の理想や事業の価値の本質を見出すことが、事業構想につながることをこの2年間で習得しました」(黒田氏)

ハッカソン初年度となる今年は日本を筆頭に、アジア数か国およびハイチ、ロンドンにおいて同時開催し、2014年7月にロンドンにて世界大会が行われる。

グローバル防災・減災ハッカソン 「Race for Resilience」第1回東京大会にて優勝
photo by Takahashi, Race for Resilience, CC BY

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