2015年11月号
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ビジネスモデル分析の視点

スーパーホテル 強さの秘密は「見える差別化、見えない効率化」

山田 英夫(早稲田大学ビジネススクール 教授)

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スーパーホテルは、従来のホテルとは資源配分のあり方を変えることで、競争力を高めた。異業種の企業であっても、ヒト・モノなどの「経営資源の持ち方」に注目することで、自社の成長につながる、新しいビジネスモデルのヒントが見えてくる。

スーパーホテルは、「チェックインは夜で、出発後に振り返る人はいない」という理由から、建物の2階以上の外装はシンプルにしている Photo by Yasu(talk)

Case Study

スーパーホテルは、「ビジネスホテル滞在中は、ほとんどの時間は寝ている」ということから、安眠にはかなりの投資を行う反面、不必要なサービスは徹底的に削ぎ落とした。ベッドはゆったりした幅広サイズ、ドアを重厚にして室内は図書館並の静寂さを確保。寝心地に直接関係する枕は、客が自由に選べるようにした。さらにフロントから自室に向かうに連れて、照明の照度を落とし、眠りに誘導する。

一方で、安眠と無関係なものは大胆にカットした。携帯電話が普及する中で、室内の電話は撤去し、冷蔵庫も中は空に。ベッドの脚も、清掃コストがかかるのでカットとした(お陰で天井までの距離が長くなり、広く感じられる)。

宿泊費は自販機での前払いであり、付加サービスの撤廃によって、精算が不要となり、チェックアウト自体を無くした。鍵を返すだけのチェックアウトであれば、鍵も無くせば良いわけで、宿泊費のレシートに打ち出される暗証番号キーとした。

チェックアウトがなくなり、出発時に待たされることがなくなり、宿泊客はギリギリまで寝られるようになった。また、フロントの人員削減にもつながった。こうしたトータルのコストダウンにより、宿泊料金は廉価に設定された。

他社が同質化できない仕組み

それでは既存のホテルは、なぜスーパーホテルに同質化を仕掛けられないのだろうか。

残り70%

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