世界的オレンジジュース危機 病気と悪天候に強いサプライチェーンに必要なものは
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年6月7日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
世界が2020年代初頭から続く紅茶危機から脱しようとしている今、もうひとつの朝の定番であるオレンジジュースが注目を集めている。供給不足により、価格が1年で20%以上も高騰した。
オレンジジュースが不足した主な原因は、世界のオレンジジュース供給量の約70%を占めるブラジルでのオレンジ収穫に、大打撃があったことだ。今年の収穫量は昨年と比べて24%減少する見込みで、これは3年連続で厳しい収穫となる。
ブラジルやアメリカでは、カンキツグリーニング病がオレンジの木を襲っている。この不治の病は、樹液を吸う昆虫が媒介し、果実を苦くし、最終的には木を枯らしてしまう。
フロリダ州の木々は一連のハリケーンやカンキツグリーニング病の被害を受けており、どちらも気候変動に起因しているとされる。病気の観点からは、年間を通じて気温が約25°Cにとどまる地域で、木々は最も被害を受けやすいと考えられている。
短期的な「解決策」がもたらす大きな課題
生産者は、収穫量が減ったオレンジを、保存期間が2年ある冷凍ジュースと混ぜることを検討している。また、国際果実・野菜ジュース協会は、他の柑橘類(マンダリンオレンジなど)をオレンジジュースに加えることを許可するよう、国連の食品規制の緩和を求めている。
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