大日本印刷、トーハン 生活者起点の出版流通改革へ提携

大日本印刷(DNP)とトーハンは、生活者を起点とする出版流通改革に向けて、全面的な提携を行うことに同意し、具体的な取り組みを開始した。2021年7月12日に発表した。

日本の出版流通に関わる出版社・取次・書店などのステークホルダーは、市場の縮小やネット通販の勃興の中で、流通の継続・維持と収益改善に努めてきた。一部に返品率削減などの改善効果も表れ始めているものの、市場全体の売上減の傾向は続いており、出版流通全体の変革が求められている。

このような状況の下、両社は出版流通の基盤の再整備に最優先で取り組むことにより、物流の合理化や出版社の返品在庫の廃棄極小化を図る。これにより、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成にもつなげていくことを考えている。

両社は、以下4つの改革を実施して、出版流通基盤を再構築することで、生活者の購読機会を拡大する。その結果としてステークホルダー各社の収益改善につなげていく考えだ。

(1)製造・物流改革 : 製造と物流の連携による適時・適量の配本体制の確立
(2)情報流通改革 : 読者の需要情報(注文・購買)や書店・出版社の在庫を共有する情報基盤の確立
(3)商流改革 : 読者の需要に応じたマーケットイン型販売体制の確立
(4)販促改革 : 書店の顧客向けのマーケティング力の強化、新たな読者獲得手法の提供

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