香りベンチャーのプロモツール、渋谷のディープテック拠点でAI調香ラボを始動

香料・芳香器の製造販売を手がけるプロモツールは2月10日、AIを活用した次世代調香研究拠点「プロモツール香りAIラボ(PSAL)」の立ち上げを発表した。

プロモツールは1999年設立。2005年には映画「チャーリーとチョコレート工場」の上映館でチョコレートの香りを放出する「日本初のニオイの出る映画」を実現し注目を集めた。以来、香り空間デザイン、香水・化粧品のOEMなどを展開し、大手企業との取引実績を持つ。自社を「セントテクノロジーカンパニー」と位置づけ、香りの技術的価値を訴求してきた。

PSALの拠点となるのは、東急不動産が渋谷で運営するディープテック・スタートアップ集積拠点「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA(SDS)」。AI・ロボティクス・バイオなど社会実装を前提とした技術系企業が集まる同施設から参画の打診を受け、香り領域のディープテック企業として正式に加わった。PSALでは、同社が蓄積してきた調香データ、官能評価、成分分析、国際基準(IFRA)に基づく安全性評価のデータ群をAIで統合し、再現性と安全性を高次元で両立する香り開発基盤の構築を目指す。

ラボの体制は、経営コンサルティング出身の竹本洋平氏を所長に据え、多数の調香実績を持つシニア調香師の渡辺武志氏、医療AI研究やディープラーニングの知見を持つ大久保慶隆氏が副所長として参画。香り・AI・経営戦略の三領域を横断できる布陣を敷いた。

香り産業はこれまで調香師の感性や職人技に依存してきたが、ブランド体験、ウェルビーイング、モビリティなど応用領域が拡大するなか、テクノロジーによる高度な品質保証の重要性が増している。海外では最大手ジボダンがAI調香支援ツール「Carto」を展開するなど、データ駆動型の香り設計が世界的潮流となっている。創業から四半世紀にわたり蓄積してきた調香ノウハウとAIの融合が、日本発セントテクノロジーをグローバル水準に引き上げる試金石となりそうだ。