YouTube20周年、視聴体験を変えたイノベーション8つのステップ
※本記事は『THE CONVERSATION』に2025年2月17日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています。

世界最大の動画共有プラットフォームであるYouTubeがちょうど20周年を迎えた。
2005年2月、ペイパル社の元社員であるチャド・ハーリー(Chad Hurley)、スティーブ・チェン(Steve Chen)、ジョード・カリム(Jawed Karim)によってひっそりと立ち上げられた。最初はカリム氏がサンディエゴ動物園を訪れる19秒の動画からだった。
その当時YouTubeがメディアの流れに与えた影響はごくわずかで、その年に開催されたエディンバラTVフェスティバルのテレビのデジタル革命に関するガーディアン紙の報道でも、一切言及されていなかった。
しかし20年後、状況は一変した。
YouTubeはテレビの強力な競合であり、エンゲージメントの魔物だ。1年間にBBCスタジオが制作する2,400時間に匹敵する量の新規動画を、5分ごとにアップロードしている。26歳のYouTubeスターのミスタービースト(MrBeast)は、2024年に8,500万米ドル(6,700万ポンド)を動画から稼いだ。その内容は、ゲーム「Call of Duty」のライブプレイから、1,000人への白内障手術の無償提供まで多岐にわたる。
ビジネスとしては、今やYouTubeの評価額は4,550億米ドル(2024年時点のブルームバーグ推計)。これはGoogleが2006年に買収した際の16億5,000万米ドルの275倍という驚異的なリターンだ。現在のYouTubeの価値であれば、Googleは英国の放送局ITVを約127回買収できる。
YouTubeの総収益(2024年は361億米ドル)は、ストリーミングの巨人ネットフリックスと同水準にある。しかし番組制作にコストをかける必要はない、ほとんどのコンテンツが無料でアップロードされるからだ。
YouTubeの月間アクティブユーザー数は27億人で、これはブロックされている中国を除く世界人口の40%に相当する。また、YouTubeは世界最大級の音楽ストリーミングサイトであり、(Facebookに次ぐ)第2位のソーシャルネットワークでもある。さらに、有料配信チャンネルの加入者数は1億人を超えている。
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