JFE、日本GLP、川崎市 製鉄所跡地に大規模冷凍冷蔵物流拠点整備へ

川崎市とJFEホールディングス、JFEスチール、日本GLPの4者は2026年8月25日、JFEスチール東日本製鉄所扇島の約18ヘクタールの敷地を次世代型物流拠点へ転換するプロジェクトを始動すると発表した。延床面積約37万平方メートル、保管能力約55万トンの冷凍冷蔵倉庫を中心とする大規模多機能施設を段階的に整備する。高炉等の休止後、長く課題とされてきた扇島地区の土地利用転換が大きく前進する。

「川崎市・JFE・日本GLP共同記者会見」に登壇したJFEホールディングス 専務執行役員の岩山眞士氏(左)、川崎市長の福田紀彦氏(中央)、日本GLP 代表取締役社長の帖佐義之氏(右)

JFEスチールと日本GLPは8月5日、次世代物流施設の開発用地として川崎市川崎区扇島地区の土地約18ヘクタールの売買契約を締結。あわせて川崎市を含む4者で連携協定を結んだ。施設名は「ALFALINK川崎扇島」。2028年6月から着工し、2030年7月から順次竣工する予定だ。JFEスチールは2028年3月末までに土地を引き渡し、日本GLPは2030年7月までに物流施設の一部を先行稼働させる計画。

4者は、陸海空の結節点という扇島の立地の強みを活用し、コールドチェーン基盤の構築に取り組むとしている。拠点では、脱炭素に向けた水素モビリティの活用と水素ステーションの設置、川崎港を活用したモーダルシフトを進める。効率化面では、自動運転トラックの活用、DX(自動化)設備の導入、共同輸配送の推進を掲げる。あわせて見学施設の設置や、災害時の物資輸送機能の強化にも取り組む。単なる倉庫開発にとどまらず、GX・DXの実装の場として拠点を設計する構えだ。

扇島地区は、JFEスチール東日本製鉄所の高炉等製鉄設備の休止を受け、国の課題解決に資する公共性・公益性の高い土地利用転換が進められてきたエリア(月刊事業構想2023年6月号参照)。国のGX戦略地域制度の有望地域に指定され、液化水素の受入・供給基地の着工も動き出している。現在、首都高速湾岸線扇島出入口(仮称)などのインフラ整備も進行中で、今回のプロジェクトは次世代産業の集積に向けた具体的な一歩となる。

川崎市の福田紀彦市長は「高度物流拠点の形成プロジェクトが始動したことで、扇島地区の今後の土地利用転換に大きな弾みがつく」とコメント。JFEホールディングスの北野嘉久社長は「次の100年を見据えた新たな産業・社会基盤の形成」に取り組むとし、日本GLPの帖佐義之社長は「製鉄所跡地を、次の100年を担う産業集積拠点へと転換する一翼を担う、社会的意義の大きなプロジェクト」と述べた。