ADEKA、高透明化剤の生産プラントを韓国に新設 PPのリサイクル対応を後押し

化学品・食品・ライフサイエンスをコアビジネスとする株式会社ADEKA(1917年設立)は、ポリプロピレン(PP)用の高性能透明化剤「トランスパレックスⓇ」の製造プラントを、連結子会社ADEKA KOREA CORPORATIONの全州第三工場(韓国・全羅北道完州郡)内に新設すると発表した。投資額は65億円で、2026年12月に着工し、2028年6月の完工、同年11月の営業運転開始を予定する。同社が樹脂添加剤の製造設備に投資するのは9年ぶりとなる。

ADEKAグループは、半導体材料「アデカオルセラ」シリーズや、高性能核剤・難燃剤といった樹脂添加剤、業務用マーガリンなど、幅広い分野で素材・製品を手がける。今回の透明化剤は、このうち樹脂添加剤事業に位置づけられる製品である。

トランスパレックスⓇは、PPに少量添加することでガラスのような透明性を付与できる添加剤。PPは軽量で加工しやすく、環境負荷の低い樹脂として食品包装などに広く使われる一方、そのままでは白濁しやすく透明性が課題とされてきた。トランスパレックスⓇは極めて少ない添加量で高い透明性を実現し、その透明性の高さは、2025年に「最も透明性の高いポリプロピレン用透明化剤」としてギネス世界記録に認定されている。リサイクル時にも性能を保ちやすく、優れた耐抽出性を備える点も特長で、食品包装や医療、自動車部材、雑貨など幅広い用途に使われている。

これまで同製品は委託製造で対応してきたが、採用拡大に伴う需要増が見込まれることから、安定供給を目的に自社製造プラントを設けることを決めた。新プラントの延床面積は5,996平方メートルで、既存の全州第三工場の敷地内に建設する。これにより、韓国での生産・供給体制を強化する。

同社はトランスパレックスⓇを、マテリアルリサイクルとPPへのモノマテリアル化による資源循環を実現する「キーマテリアル」と位置づける。透明性が課題とされてきたPPの用途を広げ、他樹脂からの置き換えを後押しすると見込む。2030年度に、透明化剤の市場規模が2024年度の300億円から500億円超へ拡大すると予測。この市場で同社のシェアを2024年度の14%から60%以上へ引き上げることを目指す。