介護特化型AI「noman」、厚労省の実証事業で効果を報告 議事録作成46%短縮、残業なし職員が増加
株式会社scovilleは2026年8月24日、同社が提供する介護特化型AI「noman」について、厚生労働省老健局の「令和7年度 介護テクノロジー等による生産性向上の取組に関する調査及び効果測定事業」で導入効果が確認されたと報告した。nomanは、会議や面談の音声を文字起こし・要約し、業務に合わせたテンプレートで議事録や記録の下書きを自動作成するAIサービス。介護現場で膨大な記録作成を担うケアマネジャー(介護支援専門員)の負担軽減を目的としている。
実証は厚生労働省老健局が主体となり、調査の実施を三菱総合研究所が担当した。実証先は滋賀県の社会福祉法人青祥会(アンタレスケアプランセンター、秦荘ケアプランセンター)で、令和7年9月から12月にかけて、介護支援専門員8名を対象に行われた。効果測定には、1分刻みで業務時間を記録するタイムスタディ調査(各1か月間)や職員アンケート、ヒアリングを用い、noman導入前(事前調査1か月)と導入後(事後調査2回)を比較した。
その結果、議事録の作成時間は1件あたり22.7分から12.2分へと46%短縮された。所定外労働時間ゼロ(残業なし)の職員割合は63%から88%へ、有給休暇を15日以上取得した職員割合は25%から63%へと改善している。ケアマネジャーの担当件数は平均35名から39名に増え、利用者と直接向き合う業務の比率も45%から55%へと高まった。創出された時間は、利用者対応や地域向けの広報活動に充てられたという。
実証に参加した職員からは、心理的・精神的な負担の軽減を評価する声が上がった。ケアマネジャー業務で最も大きいのは記録を一から自分で作る心理的な負担等、精神面の負担軽減が最も大きい効果だという。
介護分野では人材不足が続くなか、記録や事務作業の負担がケアマネジャーの離職要因の一つに挙げられてきた。今回の報告は、音声認識と生成AIを組み合わせた記録支援が、業務時間の削減にとどまらず、働き方の改善や利用者対応の充実にもつながり得ることを示した。nomanは全国1万事業所以上で導入されている。scovilleの小島秀彦事業部長は、厚生労働省の実証事業という第三者調査でnomanの導入効果が確認された意義を強調。効果測定の結果が介護現場でのAI活用を後押しすることが期待される。