ニコチンのマーケティングは今でも若者がターゲット 電子タバコに関する研究結果

(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年5月31日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

2024年の世界保健機関(WHO)の報告によれば、世界中で13~15歳の子供約3700万人が喫煙している。

2023年には、電子タバコがアメリカで最も一般的に使用されているタバコ製品となり、中・高校生の7.7%が使用していると報告されている。次に一般的なのは紙巻きタバコで、中・高校生の1.6%が過去1か月以内に使用したと答えている。

研究によると、タバコを使用するほとんどの人は子供の頃に始める。

著者は公衆衛生の研究者であり、企業がどのようにして若者の健康に影響を与えるかを研究している。過去10年間では、タバコ業界が子供や若者にどのようにマーケティングを行っているかを研究してきた。現在のプロジェクトでは、若者や成人がタバコのマーケティングに触れる経路を特定することに焦点を当てている。

14歳の子どもが特に危険だ

タバコの健康への害

タバコは人間の体のあらゆる臓器に害を及ぼし、多くの種類のがんや心臓病を引き起こすことが知られている。電子タバコ無煙たばこ(※スヌース、ニコチンパウチなどと呼ばれる、口の中に含むたばこ)などの製品にも含まれるニコチンは、それ自体が脳の発達に有害である。

青年期の脳は、特に前頭前野において早期成人期まで著しく発達する。前頭前野は注意力、記憶、認知の柔軟性などの高次認知機能に関与している。別の研究によれば、ニコチンの摂取はの機能・構造を長期的に変質させてしまうことが示されている。

新製品でも古い戦略でマーケティング

長年の研究により、タバコ業界が若者を引き付けるためにどうマーケティングしてきたかは既に判明している。

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