生分解性プラスチック製の迅速診断キット アフリカ諸国で今後のニーズ大

(※本記事は『SciDev.Net』に2024年8月23日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

研究室で手袋をつけた手がサンプルを手に持ちテストの準備をしている
研究室でサンプルのテスト準備中。研究者たちは、リサイクル素材から診断テストを作成するための新しい独創的な方法を見つけている Copyright: Michal Jarmoluk, Pixabay

世界的なプラスチック汚染危機と、COVID-19パンデミックの影響で数十億もの使い捨て診断キットが廃棄されたことにより、企業や研究者たちは、より持続可能な迅速診断キットの開発を迫られている。

インフルエンザやCOVID-19用に、生分解性の診断キットを設計している企業もあり、研究者たちは、リサイクル素材から検査キットを作るための新しく独創的な方法を見つけつつある。

しかし、こうしたイノベーションの多くは、主に先進国の企業や機関から生まれている。プラスチック汚染が最も深刻で、診断機器の地元製造がほとんどない低・中所得国では、持続可能性を実現するためには、投資家や規制当局からの大きな支援が必要だと、専門家たちは指摘する。

オランダの企業オコス・ダイアグノスティクス社(Okos Diagnostics)は、COVID-19、インフルエンザA型、B型、RSウイルス用の、初の完全生分解性診断キットの販売を2024年7月から開始した。さまざまな材料やデザインの試作やテストには、3年が費やされた。

この診断キットのケースは、農業廃棄物から生まれた植物由来の材料でできている。ユーザーが自分で購入して綿棒検査まで完了できる診断キットとして、現在、世界中で4.99ユーロ(5.5米ドル)で販売されている。

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