日建リース工業とJR貨物 活魚の鉄道輸送で生存率100%達成 

日建リース工業(東京都千代田区)は2026年3月16日、同社が開発した活魚輸送専用コンテナ「魚活ボックス」を用いて、JR貨物と活魚の鉄道輸送の実証実験を実施したと発表した。その結果、三重県尾鷲市の養殖場から東京・豊洲市場までの約35時間にわたる長距離輸送で、養殖真鯛の生存率100%を達成した。

東京貨物ターミナル駅にて、JRコンテナから魚活ボックスをトラックへ載せ替える様子


今回使用された「魚活ボックス」は、水中の溶存酸素濃度をリアルタイムで計測し、規定値を下回ると自動で酸素を供給する自律制御機能を搭載したスマートコンテナ。水容量は約1200リットルで、約160〜200尾の魚を収容できる。バッテリー駆動は増設時で最大約33時間に対応する。

実証は2026年2月末に行われた。三重県尾鷲市の養殖場からトラックで岐阜貨物ターミナル駅へ運び、同駅から東京貨物ターミナル駅までをJR貨物の鉄道で幹線輸送、さらにトラックで豊洲市場へ届けるという一貫輸送体制を構築した。到着時の斃死はゼロで、活魚の状態は「非常に良好」との評価を得た。

今回の実証の背景には、2030年に深刻化が見込まれる「物流クライシス」がある。2024年4月のドライバー労働時間規制の強化を受け、2030年には物流業界全体で輸送能力が約35%不足すると予測されている。活魚輸送の分野では、専用車両の老朽化や専門ドライバーの高齢化・退職が進み、2035年には活魚車が約30%、ドライバーが約40%減少する見通しとなっている。

同社は今後、輸送時間の短縮やオペレーションの最適化を進め、鉄道・トラック・フェリーを組み合わせた持続可能な水産流通インフラの構築を目指すとしている。