日立、独社から合成メタン製造技術の知財を取得 国内で商用化を推進

株式会社日立製作所と株式会社日立パワーソリューションズは、ドイツのElectrochaea GmbHから、バイオメタネーション技術に関する知的財産権および関連資産を取得した。取得対象には、ドイツ国内外の特許権や著作物、技術資料に加え、既存のライセンス契約に基づき移転される技術情報の使用権などが含まれる。両社はこの技術を活用し、カーボンニュートラル事業の強化と合成メタン製造事業の商用化を目指す。

バイオメタネーションは、メタン生成菌(微生物)の働きを利用し、水素(H₂)と二酸化炭素(CO₂)から合成メタン(CH₄)を製造する技術である。低温・低圧での運用が可能で設備の設計や取り扱いが容易なほか、触媒となる微生物が自己増殖するため、希少金属への依存を避けられる。硫黄分などの不純物を含むガスにも耐性があり、短時間で効率的に合成メタンを生成できるという。

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今回の取得は、両社がすでに進めてきた協業の延長線上にある。日立は2024年11月にElectrochaeaとライセンス契約を締結し、日立パワーソリューションズとともに国内での実証・事業化に向けた取り組みをOne Hitachi体制で進めてきた。その後、Electrochaeaが経営環境の変化にともない法的整理手続きに入り、資産売却が進められるなか、日立は同社が培ってきた技術を継承・発展させ、今後の事業展開につなげることを目的に知財を取得した。ライセンスによる利用から知財の保有へと立場を変えることで、日立グループはこの技術を自社の技術基盤として、より自由度高く発展させられるようになる。

背景には、合成メタンへの期待の高まりがある。再生可能エネルギー由来の水素と回収した二酸化炭素を原料とすれば、ライフサイクル全体での二酸化炭素排出量の削減に貢献できる。企業が「既存の設備を生かしながら、いかに早期かつ低コストでカーボンニュートラルを実現するか」という課題に直面するなか、日立は2030年までに、導入から安定稼働まで顧客が安心して環境投資を行える中規模設備でのGXソリューションモデルの確立を掲げる。将来的には、二酸化炭素の由来や利用状況をデータで管理し排出量の測定・報告・検証を支援するデジタルソリューションや、蓄積データを用いた製造プロセスのAI制御、設備の大規模化を組み合わせたサービス提供も視野に入れる。

日本では、2030年度までに合成メタンやバイオガスを都市ガス供給量の1%相当に代替する目標が掲げられている。合成メタンは既存の都市ガスインフラをそのまま活用できるため、電化などによる脱炭素化が難しい産業分野においても、環境投資を後押しすると期待される。