発酵繊維で作る衣類?コンブチャのバイオフィルムがサステナブルな繊維に生まれ変わる方法
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2025年1月27日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

コンブチャを作ったことがある人なら、「SCOBY(スコビー)」という言葉を聞いたことがあるだろう。これは「共生細菌・酵母培養体(Symbiotic Culture of Bacteria and Yeast)」の略称で、発酵した飲料の表面に浮かぶバイオフィルムを指す。
見た目こそ独特だが、このSCOBYは非常に多用途である。大きな容器に砂糖とお茶、またはコーヒーを加えれば、急速に成長する。お茶やコーヒーを使用するのは、カフェインに含まれる窒素が微生物の成長を促すためだ。SCOBY内の細菌の一種であるKomagataeibacter xylinusは、糖を分解して細菌セルロースを生成する特性を持つ。
我々を含む多くの研究者がこの特殊な物質に注目する理由は、セルロースの有用性にある。綿(コットン)や亜麻(リネン)の主成分もセルロースであり、衣類の主要素材として広く使われている。さらに、細菌由来のセルロースは綿の約10倍の強度を持つという特長がある。
従来の衣類製造は環境負荷が大きい。もし砂糖やお茶といった一般的な材料で細菌セルロースを大量生産できれば、新たな多機能かつ持続可能な繊維の開発につながる可能性がある。我々の最新研究では、この細菌セルロースを利用して財布や絵画用キャンバスを作成した。
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