伝統建築工匠の技を身近に 宮大工の技術と知恵を現代風にアレンジ

神社仏閣をはじめとする伝統建築の建造を手がける宮大工。技術を次世代へ継承しようと、白鳳社寺 4代目宮大工の高崎将太朗氏が建設会社勤務時代の同僚と立ち上げたのがLOFだ。メンバーは、家具などのプロダクト開発を通して伝統建築工匠の技を身近に感じられるようにしたいと考えている。

聞き手 : 小宮信彦 事業構想大学院大学 特任教授、電通 ソリューション・デザイン局 シニア・イノベーション・ディレクター

左から、市川氏、高崎氏、川口氏

小宮 LOFができた経緯についてお聞かせください。

高崎 わたしの実家は岐阜の宮大工で、3代目の父は、法隆寺最後の宮大工と呼ばれる西岡常一棟梁の唯一の内弟子・小川三夫氏に弟子入りし、知見と技術を習得しました。

ただ近年は檀家の減少などに伴い寺社を新築、修復する機会が減り、宮大工の数も減少傾向にあります。宮大工が関わる伝統建築工匠の技は金物を使わないなど自然環境にやさしく、木と木の癖を組むという飛鳥時代から伝わる日本特有の技法です。このまま宮大工の技が細っていくことは、長年の間に培われてきた伝統技術、ひいてはそこに込められた先人の知恵が失われることにつながり、これは社会課題として捉えるべきことではないかという問題認識に至りました。2020年には、日本の「伝統建築工匠の技」がユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあり、そんな想いを家業を継ぐ前に勤務していた竹中工務店の同僚に話したところ非常に共感してくれ、LOFの設立につながりました。

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