新規事業立ち上げに ステークホルダーを動かす大義とWILL

ステークホルダーを動かす
大義とWILL

2025年2月5日に実施された「プロジェクト研究 第3回アルムナイイベント」では、オムロンで複数の新規事業を立ち上げた経験を持つ、京都大学経営管理大学院 客員教授の竹林一氏が「ステークホルダーを動かす大義とWILL」と題して講義を行った。

竹林氏は、イノベーションを成功させるための3つの条件として、「経営のコミットメント」「価値創造プロセス」「推進できる人材」を挙げた。これらの条件を整えた上で、壮大な計画や長期にわたる大規模な全体構想である「グランドデザイン」を描くことが重要であるとし、「企業としての大義と、自身のWILL(意思)が事業構想の起点となる」と語った。

続いて、イノベーションを推進する組織には、内発的な動機を持ち、諦めずに挑戦する人材が不可欠であると強調した。新規事業には「起承転結」の各役割があり、特に「起承」を担う人材が重要であると述べた。最後に、「新規事業を立ち上げるには、内発的な動機を持ち、目標達成を貪欲に諦めないことが不可欠である」とし、参加者へエールを送った。

本イベントには、プロジェクト研究の研究員や研究修了生が参加した。会場では活発な議論が繰り広げられ、「社内で異なるタイプの人材をどのように結びつけるか」「イノベーション推進の意識を社内に浸透させるには」といった質問が寄せられ、講師を囲んで熱い議論が行われた。

今後も年2回、研究修了生向けのアルムナイイベントを実施する予定である。

京都大学経営管理大学院 客員教授の竹林一氏が、新規事業立ち上げについて講義を行った

<研究員の声>
多角的な視点と成長
実践から築く事業構想

今野 竜司(こんの・りゅうじ)
アルバックテクノ
生産統括本部 本部長
アルバック事業構想プロジェクト研究(第2期)
修了生

これまでサービスを中心に担当してきましたが、新事業の立案スキルを習得し、会社に貢献したいと考え、プロジェクト研究に参加しました。講義を聞くだけでなく、実践的に学べたことが自信や成長につながりました。また、新しい知識を得ながら、教員からの多角的なフィードバックを受けることができ、毎回、研究会への参加が楽しみでした。

受講中には、共同研究会で100名以上の前で発表する機会があり、多様な意見を得ることができました。特に、大きな災害を経験していない方々の視点は新鮮で、異なる立場からの考えを学ぶ貴重な機会となりました。

最終発表にて自社の役員からフィードバックを受けましたので、研究会で得た学びを活かしながら、事業をさらに発展させていきたいと考えています。常に時代に合わせてアップデートし続けることを意識し、挑戦を続けていきます。

事業構想計画
「災害支援ステーション」

自社の全国拠点を活用し、災害時に「支援ステーション」として機能させる事業構想を計画。平時には防災用品の調達・保管・管理を行い、災害発生時には備蓄品の配布・配送を通じて被災者を支援する。

本構想の背景には、2024年の能登半島地震や、自身の東日本大震災での経験がある。災害時の支援の遅れや備蓄不足という課題を解決したいという思いから、企業の取引先や自治体と連携し、「生きるためのサポート」を提供することを目指している。

事業モデルとしては、法人契約やサブスクリプション形式を採用し、契約企業の従業員やその家族に対する災害時の支援を行う。これにより、企業としての社会貢献を果たしながら、取引先の安心を確保し、持続可能な防災体制を構築していく。将来的には、情報提供やモビリティの活用も視野に入れ、災害支援体制のさらなる強化を図っていく。

プロジェクト研究

プロジェクト研究は、事業構想大学院大学 修士課程のカリキュラムのエッセンスを活かし、研究参加者の新たな事業構想と事業計画構築を行う1年間の研究会です。

担当教授が1年間を通じて、多彩なゲストを招きつつコーディネートとファシリテーションを行い、研究員の知見を高めながら推進していきます。

プロジェクト研究 概要

研究会:定例研究会(1回4時間、隔週24回開催、共同研究会年6回)等

形式:テーマ型/一社型

目的:新規事業、既存事業の再構築、地域活性などの構想・構想計画構築

定員:10〜15名

主担当教員:事業経験豊富な実務家教員

事業構想セミナー・説明会

セミナー、プロジェクト研究の説明会を実施しています。

東京、名古屋、大阪、福岡、仙台にて、新規事業開発、地域活性に関わるプロジェクト研究の説明会、個別相談を行っています。 お気軽にお問い合わせください。


詳細・申込は事業構想大学院大学公式ホームページより