お好み焼で福を広める Otafukuグループのグローバル戦略
お好みソースで知られるOtafuku(オタフク)グループは、「小さな幸せを、地球の幸せに。」をスローガンに、「ボーダレスフード」としてのお好み焼の魅力を世界に発信しながら成長してきた。そのバックボーンと今後の戦略について、佐々木直義社長に聞いた。

佐々木 直義(オタフクホールディングス 代表取締役社長)
「多くの人に福を広める」
創業者の想いをお好み焼に託す
Otafukuグループは1922(大正11)年、醤油類の卸と酒の小売業として広島市で創業。1938年に醸造酢「お多福酢」の製造を開始した。1945年8月の原爆投下によって醸造所は全焼したが、戦後に生産を再開して以降、ソースの製造・販売も始めて事業を拡大してきた。1975年には社名をオタフクソースとし、2009年には持株会社制に移行した。社名のオタフク(お多福)には「多くの人に福を広める」という創業者・佐々木清一の願いが込められている。
Otafukuグループ海外展開の起点となった中国・青島工場。2013年に稼働開始した。
「私たちのミッションは、食を通じて『健康と豊かさと和』をもたらし、笑顔あふれる社会に寄与するというものです。お好み焼はキャベツを多く使ったバランス栄養食で、家族や仲間と一緒に作って食べればコミュニケーションが生まれます。お好み焼を食べて皆が幸せになる世界を作りたいというのが、企業活動のバックボーンです」
代表取締役社長の佐々木直義氏は、こう語る。創業後、約50年間は醸造酢やソース、焼き肉のたれ、ケチャップなど多様な製品を製造したが、その後はお好み焼に関わる事業を深掘りすることで、「オタフク」の名を全国に広めてきた。
「全国に展開しはじめた当初、お好み焼を食べる習慣が根づいていた大阪では広まりましたが、東京にはお好み焼の文化がなく、苦戦しました。そこで1987年に東京で『お好み焼研修センター』を開設し、お好み焼屋さんを増やすことから始めたのです」
メーカーでありながら小売業者やお好み焼店に直接、商品を販売するため、社員が現場の声を聞く機会は多かった。現場の要望に応えて、お好みソースのほか、青のりや天かすなど様々な商品を生み出し、「お好み焼のオタフク」のブランドを確立してきた。
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