Web3ビジネス対決 グリーvsメルカリ

ブロックチェーン技術とともに、ネットを新段階に導くWeb3。企業の動きも加速する。メタバースに大きな可能性を見るグリー、フリマアプリでの取引に暗号資産を導入するメルカリ。Web3時代へ向けて積極投資する2社の方向性を見る。

Web3技術で新展開を目指す2社

ブロックチェーンやNFT、メタバースなどの新たなテクノロジーは、インターネットのインフラのみならず、コミュニケーションの形や社会・経済のあり方をも革新する可能性がある。来たるべきネットの新世紀、Web3時代に向けて、ネット空間を主戦場とする国内企業は着々と準備を進めている。ソーシャルゲームプラットフォームを展開するグリー、日本最大のフリマサイトを運営するメルカリの動向を見る。

グリーは、ゲーム・アニメ、メタバース、コマース、DX、投資・インキュベーションという6つの事業分野を持つ。メタバース分野では2022~23年に相次いで新会社を設立。個人ユーザー向けメタバース提供などを行うREALITY、法人向けメタバース空間構築やXR・NFTコンテンツ開発を担うREALITY XR cloud、VTuber事務所のREALITY Studios、そしてブロックチェーンゲームの開発などを行うBLRDの4社体制によって、多角的にグローバル展開を目指す。

うち、シンガポールを本拠とするBLRDは、2022年10月、米国Ava Labsと戦略的パートナーシップを結び、Ava Labsのブロックチェーン上でのゲーム事業展開を進める。Ava Labs側はブロックチェーンのパフォーマンスやセキュリティ、分散性向上を担うほか、共同で投資ファンドへの共同出資も行う。

メルカリは国内、米国双方のメルカリ事業も順調に成長し、中長期的に循環型社会のリーダーを目指す一方で、グループのメルペイ、メルコインを中心にフィンテック分野も新たな収益の柱にしていく方針だ。既に2021年12月、パ・リーグ6球団などとNFT事業で連携し、名場面などの動画をコレクションできるサービスを提供している。今年3月には、暗号資産交換業免許を取得したメルコインが、ビットコイン取引サービスを開始した。メルカリアプリ内において最短30秒で申し込み・売買ができ、メルカリでの売上金やポイントでも購入できる。グループ力をフルに活用するサービスだ。

新たな市場を切り拓いてきた両社が、今後もそれぞれにグループのシナジーを活かしてWeb3技術を有機的に活用し、さらに新しい段階へと進んでいくことが期待される。

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