国が推奨するネットワーク環境を構築し、課題を解決するAruba

企業はもちろん、自治体にも求められるネットワークの3要素が、安定した通信、高度なセキュリティ、容易な運用管理だ。これを実現するのがセキュア無線LANシステムAruba。Arubaがこれからの自治体DXにどう貢献できるのか、日本ヒューレット・パッカードAruba事業統括本部の遠矢凌氏の講演を紹介する。

遠矢 凌(日本ヒューレット・パッカード合同会社
Aruba事業統括本部 エリア・公共営業本部
エリア・公共担当 アカウントマネージャー)

総務省が示す重点取組にも
標準搭載機能で対応

Arubaは、2002年に創設されたAruba Networksという会社が始まりだ。無線アクセスポイント(AP)に仮想コントローラを持たせる制御技術に強みを持った、無線LANの老舗ベンダーだった。同社は2015年、ヒューレット・パッカード(HPE)社にジョイント。「現在は、APやスイッチなどのLAN周りのみならず、WAN領域を含めたエッジネットワーク領域では、グローバルシェアNo.2のネットワークベンダーです」と遠矢氏は話す。IT中心のマーケティングリサーチやコンサルティングを行う米国のガードナー社が出す市場評価「Magic Quadrant」では、2022年時点、17年連続で無線・有線の部門におけるリーダーとして位置づけられる。世界中で、金融業や製造業などのエンタープライズはもちろん、大学や省庁など、幅広い業種が、Arubaを導入している。

図 Arubaアクセスポイントの運用方法

 

Arubaは日本の自治体のネットワークにも適しているとHPEでは考えている。総務省が示す「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」では、利便性と効率性の強化およびセキュリティの確保という2つのテーマが掲げられているが、Arubaはこれをクリアできるためだ。

「自治体DX推進計画としては、6つの重点取組が掲げられています。そのうち3つが、AI-RPAの利用推進、テレワークの推進、セキュリティ対策の徹底と、特にネットワークに関連しています」と遠矢氏。これまであまり推奨されていなかった無線利用も、2022年3月に改訂されたガイドラインではより活用できるようになった。しかし、特にLG-WAN接続系で無線利用する場合は、盗聴対策、不正アクセス対策、不正AP対策、そして無線LAN経由による攻撃対策という4つのセキュリティ対策が求められている。Arubaの無線LANは、これらに対応できる機能を標準搭載している。

自治体ネットワークの課題に
対応する様々なソリューション

自治体ネットワークの課題は主に3つ。1つ目は、ネットワークの三層分離によって、セキュリティは確保できても、通信の安定性や利便性が低下すること。2つ目は、テレワーク等への対応。3つ目が、ネットワーク導入時と運用における業務負荷の増大だ。これらの課題へのソリューションを提供できるのもArubaだと遠矢氏は話す。

通信の利便性に関しては、APの運用体系を設定変更するだけで変えられるため、小規模から大規模まで、状況に合わせて柔軟なAP利用体系にすることで確保できる。自立型、コントローラ型、仮想コントローラ型、クラウド型と、APの運用体系は主に4つ。例えば、仮想コントローラ内蔵のAPだけで低コストかつ安定した運用を小規模に始めることもでき、あるいは、支所や出張所など複数拠点に導入する場合はクラウド型にして、Central機器による複数拠点の統合管理も可能だ。

安定性に関しては、APの負荷分散機能である「Client Match」という、Arubaの特許技術が貢献できる。「これは、無線端末を最適なAPへ自動的に帰属させるもの。例えば、執務室から会議室に端末パソコンを移動させた場合、Client Match機能がなければ、パソコンは執務室のAPにつながったままでパフォーマンスが低下します。Client Matchなら、パソコンが自動で会議室のAPを捉えます」。そのほか、ARMと呼ばれる自動電波調整機能も搭載。複数台設置されたAPの中で、ArubaのAPに干渉するAPがある場合、ArubaのAPが自動でチャネルを変更し、安定した通信を維持できる。

セキュリティ面では、ArubaのAPが持つ、コントローラ内蔵のファイアウォール機能がある。一般的には上位のスイッチでアクセス制限をかけるが、Arubaは、端末に一番近いAPでアクセス制限が可能。端末ユーザーを職員や来庁者など各種ロール定義したうえで、それぞれにアクセス先を制限するルールを定められる。これにより、不正アクセスの侵入や侵害を防ぐ。多数のアプリケーションの識別、制御も可能だ。

そして、運用における負担増へのソリューションも提供できる。トラブルが発生すると、一般的にはユーザーが気付き、管理者へ連絡が行く。その時点で管理者の調査開始までに遅れが生じ、ケースによっては現場に行くことになり、問題の特定と解決にさらに時間がかかる。「Arubaの場合、Aruba Centralというクラウド型ネットワーク管理ソリューションで、各拠点のネットワーク状況を可視化できます。全拠点を一目で確認でき、問題のある拠点は赤で提示。Centralに搭載されたAIが各ネットワーク機器から送信されるデータを分析しますので、問題特定も即座に行えます」。

そのほかにも、AIを活用した分析で、問題が顕在化される前に推奨される対策や設定を提示するAI Insig hts、障害発生時に自動的にパケット・キャプチャーやログ機能を取得するAI Assist、多種多様な情報の中から必要な情報に迅速にアクセスできるAI Searchという、AIを用いた3つの機能も、ネットワーク運用の簡素化につながっている。

自治体DXの鍵を握るのは
ネットワークの無線化

これらArubaが持つ技術は、自治体DXに求められる次世代ネットワーク構築に寄与できると遠矢氏。「次世代ネットワークとは、快適で安定した通信、エッジネットワークであるAPから強固なセキュリティを確保できること、そして、Centralを用いた通信の見える化による運用管理の簡素化。これら3つのポイントを有したものとArubaは考えます。その次世代ネットワークこそが、自治体DX推進の基盤です。DXとは、日々の活動をデジタル化した上で蓄積されていくデジタルデータを分析し活用して、より良いビジネスモデルや職務環境に改善していく、という考え方。そういう意味では、無線化し見える化された通信もDXに活用できるデータです。DX実現にあたってはやはり、無線化が鍵となると思います」。

2022年9月、総務省から6GHz帯の利用認可が下りた。Arubaもそれに対応したAPをいち早くリリースしている。「道路に例えれば、2車線から3車線に増えたイメージ。次世代標準規格としても期待されています。これから無線LANを検討される自治体は、長い目で見てWi-Fi6Eを採用頂き、快適な無線環境を整備していただきたい」と遠矢氏。自治体DXの実現に向けたネットワークインフラを支援するArubaに、ぜひ相談してほしいと話した。

 

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