村上農園 逆境からのビジネスモデル再構築 「スプラウト市場」創出の軌跡

栄養価が高く手軽に食べられる野菜として食卓の常連となったスプラウト。市場を牽引する村上農園は、かつてカイワレ大根最大手だったが、風評被害で廃業の危機にまで追い込まれた。ピンチをチャンスとし、新たなビジネスモデルを構築した代表取締役社長の村上氏にその軌跡を聞く。

村上 清貴 村上農園 代表取締役社長

「リクルートで鍛えた、商売の基本と思考力

使いやすさと食感、栄養価の高さで売上を伸ばす発芽野菜(スプラウト)。スーパーの棚で、ブロッコリーの種から発芽した新芽『ブロッコリースプラウト』などを見かけることも増えている。このスプラウトのパイオニアで現在も市場を牽引するのが、広島市に本社を置く村上農園だ。

もともと、スプラウトの一種であるカイワレ大根の最大手だった同社を継ぎ、今のビジネスモデルを構築したのが、代表取締役社長の村上清貴氏。村上農園を承継する前には、新興企業として業績を伸ばしていたリクルートで営業やマーケティング、商品開発などを手がけてきた。

当時としては珍しく、リクルートでは末端の若手社員も含め、全員が自らの所属部署の財務データにアクセスできたという。独学で得た経理・財務の知識でこれらの数字を読み解いてきたため、村上氏は早くから事業構造や先行きを見極める力を身に付けていた。

他にも特徴的な文化を持っていたリクルート。例えば上司に質問や相談を持っていくと、まず「君はどうしたい?」との言葉が返ってくるという。

「結果的に若い頃から、徹底して自分で考えるトレーニングを積むことができました」

村上農園の発芽野菜のラインナップ(一部)。
多くの危機を乗り越え、スプラウトという新たな市場が形成された

疲弊した市場に、風評被害の駄目押し

リクルートに在籍し10年ほど経った頃、村上氏は先代から事業承継の打診を受ける。広島大学在学中、親戚筋にあたる先代の家に下宿していたこともあり、白羽の矢が立ったのだ。

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