若い世代がチャレンジできる環境を「挑戦」のDNAを未来につなぐ

国内最大級の成功報酬型アドネットワークを持つファンコミュニケーションズ。2017年から実施する新規事業コンテストには毎年80近い提案が集まる。コンテストを通じ“自ら考え動く”人材を増やす。

二宮 幸司 ファンコミュニケーションズ 取締役

「挑戦」のDNAを制度化

インターネット上の成功報酬型アドネットワークサービスを中心に、自社媒体運営、広告代理業等のインターネット広告関連事業を展開するファンコミュニケーションズ。創業翌年に『A8.net』という日本最大級のアフィリエイトサービスプロバイダーを立ち上げ、以降、トライアンドエラーを繰り返しながら新しいサービスを生み出してきた。

20年あまりの歴史の中で、立ち上げ後、なくなっていった事業のほうが多いというほどチャレンジ精神旺盛な社風だが、この精神を制度化したのが新規事業コンテスト『9con』(キュウコン)だ。

2017年から始まった『9con』の背景には、大きく成長する事業が現れたことで、その事業へのコミットが基本となり、新規事業にチャレンジする機会を得にくくなったことがある。また、2015年頃から新卒採用を開始したこともあり、若い世代のアイデアをアウトプットする機会にもなっている。

『9con』の開催は年1回。同社に在籍する全スタッフと内定者が対象で、テーマは自由。過去5年の開催で累計約400のエントリーがあり、平均すると年間約80件のアイデアが集まっていることになる。

次の20年のビジネスを若手に

『9con』の審査は1次審査、2次審査、最終プレゼンと進み、大賞には100万円と事業化権が授与される。

特徴的なのは、1次・2次審査の段階で、社長・副社長と2on1で直接意見を交わす時間が設けられること。普段、話す機会のないトップと事業に対しての意見を交わすことは、応募社員には大きな刺激となる。

大賞を受賞したアイデアは新規事業として立ち上げる建付にはなっているが、大賞に選ばれた事業は今のところ出ていない。

「徹底的に自分で考え、仮説を立て、課題を発見し、行動する。そういうマインドセットを持つ人材を増やすことが『9con』の一番の目的です。もちろん、その中でよい事業が生まれてくればさらにいい」と取締役の二宮氏。

審査で重視されるのは、事業としての精度よりも提案者の熱意と覚悟。全社からアイデアを募る体制で、チャレンジしやすい環境を作っている。二宮氏の部署では『9con』とは別に新規事業の立ち上げをサポートしているが、責任者は若手が多い。

「20代の若い世代に、次の我々のビジネスの20年を作ってもらうことをベースにしています。新卒や内定の時から自分で考えられる機会を与えることで、将来、新規事業をやりたいと思う人がチャレンジしやすい環境を作っていきたいと考えています」

2021年8月に行われた『9con』の最終プレゼンの模様

 

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